農業機械研究部門

緊プロ開発機のご紹介

生体情報測定コンバイン

(2007年発表)

生体情報を測定できるインテリジェンスコンバイン

  • 米の収穫情報と玄米タンパク含量をリアルタイムで確認
  • わらの質量や水分を測定し効率的作業

写真

1.利用のメリット

収穫作業と同時に、籾の質量である収穫情報、水分・玄米タンパク含量である品質情報およびわら質量・わら水分である生体量情報を取得可能である。

取得した品質情報をもとに、乾燥施設でのタンパク含量別仕分け乾燥や高精度な施肥設計への活用によって高品質米の生産に寄与できる。

また、わら質量・わら水分の生体量測定によりコンバインの予測制御に利用でき能率的なコンバインの稼働に寄与できる。

2.開発装置の概要

  • 本コンバインは、収穫情報測定部、品質情報測定部、生体量情報測定部および制御・表示部を備えた自脱コンバインである。
  • 籾質量はロードセル式質量計、籾水分は電気抵抗式水分計、玄米タンパク含量は反射式近赤外分光装置、わら質量等の生体量は光学式センサと機械式センサで測定する方式である。
  • 運転席に設置したタッチパネル式のモニタで簡単に操作でき、作業中は各情報をリアルタイムで表示することができる。ほ場一筆の作業終了後は平均値や標準偏差も表示・記録できる。

3.活用上の留意点

  • 品質測定部と生体量測定部は、定期的なメンテナンスが必要である。
  • 玄米タンパク含量については、倒伏して表面の汚れた籾では誤差が大きくなる。
  • わら質量、わら水分については、曇天時などの照度不足時に誤差が大きくなる。

4.共同研究実施会社

株式会社荏原電産静岡製機株式会社ヤンマー農機株式会社株式会社相馬光学

5.主要諸元・構造

    • 構造

本コンバインは、収穫量測定部、水分測定部、玄米タンパク含量測定部、生体量測定部および制御・表示部から構成される。収 穫作業と同時に、穀物の質量、水分、タンパク含量、わら質量およびわら水分を計測・表示することができ、さらにほ場一筆毎の平均値や標準偏差も表示・記録できる。

  • 諸元

1)形式:自脱コンバイン(4条)
2)機体寸法:全長4010mm×全幅1919mm×全高2200mm
3)機体質量:2600kg
4)収穫量測定部:ロードセル方式(傾斜補正機能付き)
5)水分測定部:電気抵抗式(複粒式)
6)玄米タンパク含量測定部:反射式近赤外分光装置(後分光方式)
7)生体量測定部:光学式センサ(4波長式)、機械式センサ
8)制御・表示部:モバイルPC(タッチパネル式)

6.作業性能

  • 収穫作業と同時に、籾の質量である収穫情報、水分・玄米タンパク含量である品質情報およびわら質量・わら水分である生体量情報を測定し、リアルタイムで表示できた。またほ場一筆の作業終了後は平均値等を表示・記録することができた。
  • タンパク含量の測定精度は、水分データの補正を行った条件で、相関係数0.65(1%の水準で有意)、予測標準誤差0.22であった。
  • わら質量、わら水分は相関係数0.96、0.94で測定が可能であった。
    (試験場所:生研センター附属農場)