農業機械研究部門

緊プロ開発機のご紹介

個体別飼料給餌装置

(1997年発表)

TMR(完全混合飼料)の簡単自動給餌

  • 乳牛の泌乳量に応じたきめ細かな給餌
  • 給餌時刻、給餌量等の設定はパネルタッチ
  • スイッチ一つで楽々自動給餌

写真
繋ぎ飼い牛舎での給餌の状況

1.利用のメリット

あらかじめプログラムしたTMRの多回数自動給餌により、乳量・乳質が安定・向上。自動給餌により他の飼養管理作業に専念可能。

2.開発機の概要

  • 繋ぎ飼い牛舎用と放し飼い牛舎用の2形式開発。TMRの多回数給餌方式。
  • 繋ぎ飼い牛舎用:ワイヤー駆動式の給餌箱8個に個体別飼料を繰出し、各牛に搬送給与するシステム。繰出し誤差は2~3%。給餌時間は50頭換算で約50分/回。装置は軽量、給餌通路の狭い既存牛舎でも利用可能。
    放し飼い牛舎用:レールを往復走行する電動式ミキシングフィードカーに各種飼料と水を設定割合で計量投入し、TMR調製・配餌・餌の掃き寄せを自動的に行うシステム。左右飼槽への自走配餌の所要時間は、約9分/回。対人・対牛衝突時の安全対策としてロープ式タッチセンサーを装備。
  • (試験場所:長野県畜産試験場、兵庫県中央農業技術センター畜産試験場)

3.活用上の留意点

  • 乳牛を対象。
  • 繋ぎ飼い牛舎用では、TMRを調製する装置が別途必要。
  • 放し飼い牛舎用では、乾草をあらかじめ投入コンベヤに載せることが必要。

4.委託研究実施会社

株式会社クボタオリオン機械株式会社

放し飼い牛舎での給餌の状況放し飼い牛舎での給餌の状況

5.主要諸元・構造

項 目繋ぎ飼い牛舎(個体別管理)用放し飼い牛舎(牛群別管理)用
給餌飼料 TMR(混合飼料)、サプリメント(補足飼料) TMR(混合飼料)
TMR調製装置 なし(調製済みTMR利用) 有り(ミキシングフィードカーにて攪拌混合)
飼料貯留装置 計量器付き定量繰出し装置(容量1.5m3)
サプリメント供給装置(容量60L)×2
ビートパルプタンク、配合飼料タンク、単味飼料タンク、乾草庫(人力取出し)
投入装置 飼料搬送用コンベヤ オーガコンベヤ、バケットコンベヤ、乾草コンベヤ
給餌装置 個体別給餌箱(容量48L)×8個
天井レール懸垂ワイヤ駆動式
計量器付きミキシングフィードカー(容量5m3)、レール上電動自走式
給餌メニュー 制御パネルより事前入力 制御パネルより事前入力
最大電力量 1.7kW 12.7kW