農業機械研究部門

緊プロ開発機のご紹介

汎用型飼料収穫機

(2007年発表)

場所や作物を選ばず、1台3役

  • トウモロコシ、牧草、飼料イネ等を1台で収穫・細断・ロール成形
  • ノンストップで収穫可能、軟弱圃場でもキビキビ作業

写真

1.利用のメリット

1台で多様な飼料作物に対応でき、機械費の節約が可能。トラクタ作業が困難な圃場でも作業可能。長期保存可能で高品質なロールベールサイレージ調製が可能。水田飼料作が多い府県のコントラクタ等での利用に最適。

2.開発機の概要

  • 収穫・細断機能を持ち、収穫部アタッチメントの交換により多様な飼料作物に1台で汎用的に対応できる自走式ロールベーラである。
  • トウモロコシ等長大作物用(2条刈)、予乾牧草用(拾い上げ幅1.6m)、飼料イネ青刈り収穫用(6条刈リール式)のアタッチメントを工具なしで容易に着脱可能である。
  • ロールベールの結束中も作業を中断せずにノンストップで収穫可能である。
  • 作業能率は、30aのトウモロコシで42a/h、50aの予乾牧草で48a/h、25aの飼料イネで29a/h程度。中割作業が可能で、人手による枕地処理が不要である。
  • ロールベールは直径1m、幅約0.9mで、重さはトウモロコシで約480kg、予乾牧草で約400kg、飼料イネで約300kg。いずれのサイレージも高品質で長期保存可能である。

汎用型飼料収穫機の概念汎用型飼料収穫機の概念

3.活用上の留意点

  • 移動の際は、積載量6t以上の低床トラックを用いること。

4.委託研究実施会社

株式会社タカキタヤンマー農機株式会社

5.主要諸元・構造

飼料作畜産415-3

6.作業性能

  • 平均作業速度及び圃場作業量は、30aのトウモロコシ(乾物収量1.6t/10a、含水率70%の時)で1.41m/s、42a/h、 50aのイネ科予乾牧草(乾物収量0.5t/10a、含水率61%の時)で0.56m/s、48a/h、25aの飼料イネ(乾物収量0.8t/10a、含 水率57%の時)で0.83m/s、29a/hであった。なお、5a以下の狭小圃場でも平均14a/hの圃場作業量で作業可能であった(図3)。また、貫 入抵抗値が0.36MPaの軟弱圃場においても作業速度0.76m/sで作業可能であった(飼料イネ収穫時)。
  • ロールベール放出時のロスは、作物の種類を問わず2%未満であった。ロールベールの平均質量および平均乾物密度は、トウモロコシで 488kg、197kg/m3(平均含水率71%)、イネ科予乾牧草で414kg、235 kg/m3(平均含水率55%)、飼料イネで314kg、177 kg/m3(平均含水率59%)であった。いずれのサイレージもV-scoreが90点以上の高い発酵品質であり、一年間の貯蔵を経た後も品質がほとんど 低下しない。
    (試験場所:岩手県滝沢村、福島県西郷村、新潟県三条市、茨城県大洗町、埼玉県行田市、三重県松阪市、岡山県津山市、広島県庄原市、徳島県板野郡、福岡県筑紫野市・前原市、宮崎県高原市)