農業機械研究部門

緊プロ開発機のご紹介

畜舎換気用除じん・脱臭装置

(2005年発表)

粉じん、ニオイを除去してさわやか換気

  • 無窓豚舎換気の粉じん、悪臭を除去
  • 無窓豚舎周辺からの苦情発生及び環境汚染を防止

写真
生物脱臭方式による畜舎換気用除じん・脱臭装置の概要

1.利用のメリット

無窓豚舎の換気空気に含まれる粉じんと臭気を除去することができ、豚舎周辺からの悪臭による苦情の発生軽減に寄与。

2.開発機の概要

  • 本装置は無窓豚舎の換気空気を対象。
  • 除じん部、送風部、ヤシガラチップ混合物による生物脱臭槽で構成。粉じんは水洗による簡易除じん装置で除去し、アンモニア等はヤシガラチップ内の微生物により分解・脱臭する。
  • 粉じん、アンモニアをほぼ完全に除去。
  • 生物脱臭槽の処理能力は、脱臭槽1m2当たり6.0m3/min以下。
  • 脱臭材料は交換不要で運転コストは安価 (試験場所:北里大学フィールドサイエンスエンター、しわひめスワイン)

3.活用上の留意点

  • 本装置は、無窓豚舎など閉鎖型畜舎の換気に適用。
  • 本装置は、細霧吸着方式等と比べ広い敷地を要するが低コストであり、農村地域の無窓豚舎向き。
  • 生物脱臭槽では水分が蒸発散により減少するため清水等を補給する必要がある。

4.共同研究実施会社

松下ナベック株式会社

無窓豚舎への設置例 無窓豚舎への設置例

5.主要諸元・構造

  • 構造
  • ヤシガラチップ混合物を充てんした脱臭槽内の微生物により畜舎から排出された空気中の臭気を脱臭する方式(生物脱臭方式)である。除じんはスクラバー・循環方式で行う。

  • 主要諸元
  • 脱臭槽の設置面積 (m2) 25
    脱臭方法 微生物利用による生物脱臭
    脱 臭 槽 脱臭材料 ヤシガラチップ混合物
    堆積高さ (mm) 500
    散 水 部 散 水 量 (L/日) 1,000(4回/日)
    電 動 機 (kW) 0.4
    水循環方式(蒸発分は補給)
    除じん部 除じん方式 スクラバー・循環方式 ※1
    散 水 量 (L/分) 225
    電 動 機 (kW) 0.4
    水質制御方法 沈殿濃縮除去
    送 風 部 定格風量 (m3/分) 150 ※2
    電 動 機 (kW) 5.5
    ※1)除じん部はオプション ※2)風量150 m3/分は、子豚180~250頭規模の最大換気量に相当

6.作業性能

ヤシガラチップ混合物を使用した生物脱臭方式は、無窓豚舎(子豚4~10週齢用、肥育豚用、肥育・繁殖豚用)から排出された空気中に含まれる粉じん(最大7.9mg/m3)とアンモニア(最大26 ppm)をほぼ完全に除去することができた。
(試験場所:北里大学附属フィールドサイエンスセンター、しわひめスワイン)