九州沖縄農業研究センター

スクミリンゴガイ

"アップルスネール"について

スクミリンゴガイ(左)と近縁のP. diffusa(右)
スクミリンゴガイ(左)と近縁のP. diffusa(右)

近年、"アップルスネール"と称するリンゴガイの仲間がペットショップで売られています。殻も肉も黄色のタイプがほとんどですが、中には殻が白で肉が黒色など異なるタイプもあります。これはスクミリンゴガイ(Pomacea canaliculata)の色彩変異系統の場合もありますが、スクミリンゴガイ(以下、スクミと略す)に近縁のPomacea diffusaのことが多いようです。P. diffusaはスクミに比べて殻の肩がやや角張っており、卵塊がピンクではなく灰色であるなどの特徴があります。

東南アジアなどで養殖されているものが国内に持ち込まれているようですが、リンゴガイの仲間は農作物を加害するため、すべて輸入禁止になっています。仮にこれらの貝が野生化すると、農作物への新たな被害を起こす可能性があります。現にスリランカではP. diffusaが野生化して、水稲への被害が懸念されています。国内でも野生化する恐れは充分にあるので、生きた貝を野外へ放つことは絶対にしないで下さい。