サトウキビ作と野菜間作を組み合わせることにより、生産性、収益性の改善を図ることができる。ここでは間作野菜としてキャベツとダイコンを取り上げ、栽培技術を紹介する。
キャベツ
1. 栽培暦
2. 品種
はやどり甘藍
3. 播種・育苗
- セル成型苗育苗:全国標準規格の128穴トレイが最も良い苗ができる。播種は定植1ヶ月前に行う。30日苗が地上部の生育と根張りが最も良い。
- 床蒔き育苗:排水に注意し、床幅は90~120cmに10~15cm間隔に条播きとする。播種量は3.3m2当り15~20mリットルとし、むらのないように均一にまく。
4. 定植準備
適期は10月。サトウキビ中耕管理の後、植え付け直前にトラクタ、または耕耘機で畦立てする。
5. 定植
- セルトレイ苗:移植機用セル苗は播種後30日程度の根鉢した苗が移植適期である。株間は40cmとする。
- 床播き苗:床蒔き育苗苗は手植え用のため、大きくても良い。株間は40cmとする。
6. 施肥
元肥は施用しない。間作は1条植のため、窒素成分量で10a当たり1kg(慣行の約3分の1)を2回(1回目は定植後5日~7日目、2回目は20日目まで)に分けて追肥する。
7. 病害虫防除
定植直後にコナガ対策の農薬散布(アドパンテージ粒剤)する。その後はモンシロチョウの発生状況に合わせて行うが、2~3回程度の散布(オルトラン乳剤)で防除できる。網掛け栽培を行えばコナガ対策の1回の農薬散布だけで十分。
8. 潅水
定植直後に潅水し、結球開始まで降雨がない時は5~6日間隔で潅水する。
9. 収穫
晴天時に十分結球したものから順次に収穫する。
10. 留意点
サトウキビの植え付け後1ヶ月を目安にしてサトウキビの生育状況を見ながら定植する。早く植えると害虫の被害を受けやすく、遅すぎると遮光により結球しない。
M球サイズを多くするには、減肥する。
ダイコン
1. 栽培暦
2. 品種
青首耐病総太り
3. 播種準備
植え付け直前にトラクタ、または耕耘機でサトウキビ中耕管理の後畦立てする。
4. 播種
慣行はほとんど人力による播種であるが、歩行型人力播種機による方法もある。
播種機の場合は薄く播種する。
5. 施肥
元肥は施用しない。追肥は窒素成分で1アール当たり2kgを2回(1回目は本葉2枚期、2回目は本葉4~5枚期)に分けて行う。
6. 播種後の管理
本葉2枚期に1回目の間引き、本葉4~5枚期に2回目の間引きを行う。
7. 病害虫防除
コナガ防除を1回目の間引き直後に行い、その後は発生状況を見ながら行うが、2~3回程度農薬散布で栽培可能。
8. 収穫
播種後70日~75日で収穫できる。鮮度を保つため早朝に収穫する。減農薬栽培のため葉付きダイコンとしても販売できる。
9. 留意点
サトウキビの植え付け後1ヶ月を目安にしてサトウキビの生育状況を見ながら定植する。早く植えると害虫の被害を受けやすく、遅すぎると遮光により肥大が遅れる。1条植は理想的であるが、Lサイズ以上を多くするには株間40cm以上が望ましい。