食品研究部門

澱粉系素材ゲル化解析チーム

設置目的・概要

米、麦、芋などの澱粉系素材のもつ特性を最大限に活用し、特徴的な物性を表現する新食品を開発するためには、成分特性、ゲル化特性及び老化特性の解析や、それらの特性やゲル化工程が新食品の特性に及ぼす効果の解明が必要となります。
そこで、食品研究部門では、澱粉系素材の構造特性及びゲル化特性を新たな切り口から解析するとともに、加工条件による発現特性の変化を解析するため、ユニット横断型連携研究チームを組織しました。
本チームでは、米を中心とした澱粉系素材から製造するゲルの形成・老化メカニズムに迫ることで、国産農産物の高付加価値化のための戦略的な素材、系統及び品種開発の加速、素材用途の拡大等を図ります。また、澱粉系素材のもつ潜在力の新評価手法を提案し、ゲル化工程における特性制御機構を解明することで、食品企業による新食品製造技術の開発に貢献します。

構成員

チーム長 徳安 健
(とくやす けん、食品生物機能開発研究領域 生物資源変換ユニット長兼務)
チーム員 松木順子
(まつき じゅんこ、食品加工流通研究領域 食品素材開発ユニット上級研究員兼務)
チーム員 與座宏一
(よざ こういち、食品加工流通研究領域 食品素材開発ユニット上級研究員兼務)
チーム員 佐々木朋子
(ささき ともこ、食品加工流通研究領域 食品品質評価制御ユニット上級研究員兼務)

活動内容・予定等

各試験装置(例(写真)参照。)を用いて、多様な米を炊飯した後に撹拌処理して得られるゲルを解析することで、原料成分特性、ゲル化条件等とゲル特性との関係解明を図ります。本チームではラボ規模での基盤研究を行うこととし、食品開発そのものは進めていません。その一方で、付加価値の発掘が間に合わないような、個性的な澱粉をもつ素材、系統や品種を開発した国公立試験研究機関の方々、国内外からユニークな澱粉系素材を入手し、その利用特性を評価したい食品素材メーカーの方々、食品開発を行う際のゲル特性解析が必要な食品メーカーの方々などに対して、新たな評価手法の開発と活用に注目した共同研究、競争的資金の応募等を行う体制を構築します。是非とも積極的にご活用ください。

【写真】解析試験に用いている装置
図 澱粉系素材のゲル化特性解析試験に用いている装置
左:ラピッドビスコアナライザー(原料約2 g使用.)、中央:ホモジナイザー(原料約20 g使用.)
右:高速剪断装置(ロボクープ、原料約300 g使用.最右上下写真は、それぞれ剪断前容器内及び剪断後ゲル.)

期間

平成27年5月に加工米ゲル化特性解析チームとして発足。平成28年度までの活動としているが、状況を踏まえて適時判断する。