食品研究部門

食品分析・標準化チーム

名称

食品分析・標準化チーム
Food Analysis and Standardization Team

設置目的

食の安全と信頼性の確保、食品分析の国際標準化のためには、分析値の信頼性確保が必要です。そのための基盤整備活動を目的に当チームを設置します。

研究業務の背景

分析を行う試験室は、(1)妥当性が確認された方法を用いていること、(2)適切な技能試験 (proficiency testing, PT)に参加していること、(3)内部質管理(内部精度管理)を行っていること、(4)ISO/IEC17025(試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項)に適合していること、が要求されます。
この分析法の妥当性確認や内部質管理には、分析値の真度を評価するために、分析対象試料と似た主要成分組成で測定対象成分の認証値や付与値を有する認証標準物質(CRM)や標準物質(RM)が利用されますが、国内で作製された食品関係のCRMやRMの種類は限られていて、多様な分析対象に対応しきれず外国のものを使用することが多いのが実情です。
また、PTでは、参加者は任意の方法で分析することができるので、新しく開発・改良した分析法の性能の立証や、現在使用している方法の点検ができますが、国内の機関から供給されるPTは多くはありません。
分析法の妥当性確認については、国際的にハーモナイズされたプロトコルがありますが、その存在が周知されているとはいえません。

研究業務の内容

そこで、当チームでは、外国に供給を期待できない我が国特有の食品や成分等についてのCRM、RMの作製やPTの供給など、以下のような活動を行っています。

  • 遺伝子組換えダイズ及びトウモロコシの定量法、食品中の放射性セシウムの分析法について、ISO/IEC 17025に基づく試験所認定を取得しています。
  • 国立研究開発法人産業技術総合研究所計測標準総合センターと共同で、放射性セシウム分析用の玄米のCRMを開発し、委託業者を通して頒布すると共に、放射能測定のPTの提供を支援しています。
  • その他の活動として、信頼性の高い分析法確立のための試験室間共同試験による妥当性確認について、アドバイスグループを起ち上げ一般化を図ります。
  • 分析法の妥当性確認、CRMやRMについての知識の浸透を図るため、シンポジウムの開催などの情報提供、広報活動を行います。

主要な構成員

チーム長 食品分析研究領域長 榊原 祥清
食品加工流通研究領域長 木村 啓太郎
食品分析研究領域 信頼性評価ユニット 橘田 和美
食品分析研究領域 信頼性評価ユニット 高畠 令王奈
食品安全研究領域 食品安全性解析ユニット 八戸 真弓

メンバーについては、技術開発の状況に応じ、機動的に変更する。

その他

放射性セシウム分析用の玄米のCRMの頒布に関しては、国立研究開発法人産業技術総合研究所計量標準総合センター(NMIJ)認証標準物質のページをご覧ください。
食品研究部門で供給するPTについての情報は、随時、当部門のお知らせの欄にてご案内いたします。