環境中には、健康に悪影響を及ぼす、あるいは作物生育を阻害する等の化学物質が存在します。そのため、作物生産現場においては、このような化学物質が農作物に過度に吸収されないようにするなど、適切にコントロールすることが必要です。
化学物質リスク研究領域では、ヒ素・カドミウムなどの有害元素、放射性同位元素、および土壌等に残留した農薬などについて、農業環境中での動態の解明を通じて、それらが作物に吸収されるのを抑制し、安全性の高い健全な作物を生産できる技術の開発に取り組んでいます。
主な研究のターゲットとしては、有害な化学物質の吸収蓄積を抑制する遺伝子の特定や系統開発、放射性核種の大気-作物-土壌間での動態の解明、ならびに資材施用や水管理などの営農管理による有害な化学物質の作物への吸収抑制、堆肥や環境水に含まれる農薬成分の迅速検出、および土壌中での有機化学物質の分解促進に関する技術開発、などを設定しています。