果樹茶業研究部門

果樹の災害対策集

5.被害樹の樹勢回復対策はどうすればよいか

台風被害によって低下した樹勢を回復させる手段としては、樹体の栄養状態を良くして新梢の発芽・充実を図るとともに、養分吸収を速やかに行わせるために細根を保護して新根の発生を促すことが大切である。

新梢の発芽・充実を図るためには、施肥や葉面散布による養分補給が必要である。施肥管理についてはビワのQ2を参照していただきたい。細根の保護、新根の発生促進には、樹冠下に堆肥などの有機物を施用するのがよい。有機物は完熟したものを用い、全面施用ではなく帯状あるいはスポット状の施用が効果的である。残った根を断根することになるので、中耕は行わない。樹体の揺動や倒伏によって浮き上がった根や土を落ち着かせるとともに、樹体への養水分供給を促進するために、十分な灌水を行うことも必要である。さらに、樹冠下に敷き藁などを行い、土壌乾燥の防止に努める。