我が国畜産業における喫緊の課題の一つとして、肉用繁殖牛増頭等の生産基盤強化や和牛肉生産量の増大と一層の輸出拡大が挙げられます。これらの目標達成のため、公共牧場等の様々な支援組織のフル活用や、ICT、IoTなどの新技術実装による生産性向上と労働負担の軽減等が求められています。
省力肉牛生産グループでは、公共牧場等を主な対象として、ICT等を活用した肉用繁殖牛の放牧管理技術や草地管理技術を開発し、これら技術の導入により各種管理作業労力の削減を図り、肉用繁殖牛の増頭を可能とする牧場環境の構築に向けた研究に取り組んでいます。また、放射能汚染草地における牧草への放射性セシウム移行低減対策では、カリ追加施肥が実施されています。その施用量削減を目指し、削減可能な土壌条件や資材の検討、セシウム低吸収草種を利用した草地管理技術の開発等を行っています。さらに、バイオ炭と家畜排せつ物の利用や放牧推進による温室効果ガス削減に取り組んでおり、飼料生産性の維持向上と温室効果ガス削減の両立を目指した研究を進めています。