畜産研究部門

乳牛精密栄養管理グループ

乳牛は、摂取した飼料を消化・吸収・代謝することで乳を生産しますが、その過程で呼気から二酸化炭素と反すう家畜特有のメタンを排出します。メタンはウシの第一胃(ルーメン)に棲息する微生物が飼料を分解することで必然的に発生しますが、温室効果ガスの一種であるため、その削減が世界的な課題のひとつとされています。乳牛精密栄養管理グループでは、乳牛の生産性向上とウシ消化管からのメタン削減、それらの遺伝的能力の改良を目的に、下記のような研究テーマに取り組んでいます。

  • 個体ごとの物質出納を実測することで乳生産への効率を把握し、ルーメン発酵の代謝動態の解明や微生物機能の改善を通してメタン削減技術を開発する
  • ウシ消化管からのメタン産生量を簡便に測定する技術を作成し、国産飼料を最大限に利用したメタン排出抑制と乳生産性向上の両立を目指す飼養管理技術を開発する
  • エネルギーバランスや各種センサーから得られるデータなど、新たな遺伝的能力を改良するための指標を探索し、その確立を進める

これらの研究から、乳牛の生産性最大化とメタン排出最小化を目指した飼養管理方法を提案します。

代謝試験装置

メンバー