農林水産生物は食料の供給源であるとともに、再生可能なエネルギー源でもありますが、循環型社会の構築が模索され、食糧危機が予想される21世紀には、生物の物質生産力を飛躍的に高める、既存技術のブレイクスルーが強く求められています。そのため、本プロジェクトでは、長期的な視点に立って、生物の持つ固有の形態自体の改変、あるいは、生理機能の遺伝子・分子レベルでの改変技術の開発に取り組んできました。
18、19年度の2年間、遺伝子操作技術等による形態・生理機能の改変を行うことによって、これまでは不可能とされた優れた形態、機能を有する新農林水産生物を創出し、目的生産物の増大に資することを目的として、関係研究チームが取り組んできた成果をここにご紹介します。
1.農作物生産に関わる重要な形質・機能の基礎的・基盤的研究
- イネ種子のホスホリパーゼDはスフェロゾーム膜を融合させる[PDFファイル]
- 稲の過敏感反応の誘導を制御するホスホリパーゼD[PDFファイル]
- イネの鱗被形成に関わる遺伝子群と閉花受粉性のメカニズムを同定[PDFファイル]
- イネの一次枝梗数と維管束形成に関与する遺伝子は収量増加に貢献する[PDFファイル]
- 穂ばらみ期に冷温応答する花粉形成制御遺伝子の発現解析[PDFファイル]
- 作物の低温順化は地下部温度の影響を受ける[PDFファイル]
- 低温を感じて分泌されるコムギ抗菌タンパク質の解明[PDFファイル]
- ホウ素の栄養診断法を確立[PDFファイル]
- 温度によって制御されるスギ花粉の形成[PDFファイル]
- トマトのストレス応答時のアブシジン酸調節機構[PDFファイル]
- ナスの単為結果性系統における内生オーキシン量の変化と特異的遺伝子発現[PDFファイル]
- アブラナ科植物の自家不和合性程度を制御するQTL[PDFファイル]
- SRF1遺伝子の過剰発現によりサツマイモ塊根の乾物率が増加する[PDFファイル]
- カンキツ'無核紀州'の無核性発現に関連する遺伝子の特定と評価[PDFファイル]
- スペルミジン合成酵素遺伝子によるブドウへの浸透圧ストレス耐性の付与[PDFファイル]
- ぺチュニアの大輪化はサイトカイニンにより誘導される[PDFファイル]
- ペチュニアの覆輪の発現に関与する遺伝子と、覆輪模様を変化させる化合物[PDFファイル]
- 選択的白色腐朽菌ウスキイロカワタケYK-624菌株における遺伝子導入系構築[PDFファイル]
2.家畜生産に関わる重要な形質・機能の基礎的・基盤的研究
- ウシ筋芽細胞の分化時に抗α5β1インテグリン抗体に影響される因子群[PDFファイル]
- 鶏ヒナの骨格筋タンパク質分解を抑制するアミノ酸[PDFファイル]
- 天然の抗酸化物質を豊富に含むカンショ茎葉を給与することで暑熱環境下の肥育豚に対する酸化ストレスは緩和する[PDFファイル]
- 乳雄子牛への代用乳増給が哺乳期と育成・肥育期におけるIGF-1産生に及ぼす影響[PDFファイル]
- 泌乳ヤギのソマトトロピン軸に関連する新規生理活性物質の作用機序解明[PDFファイル]
- ブタ胚の発生速度の解析による胚発生能の予測[PDFファイル]
- 温度応答性高分子を表面修飾した培養皿で培養することによりウシ栄養膜細胞を細胞シートとして継代できる[PDFファイル]
- 牛ウイルス性下痢ウイルスは胎盤形成前妊娠初期牛の子宮内へ移行する[PDFファイル]
- 増感in situ hybridization法によるアルボウイルス感染細胞・組織における特異遺伝子検出法の確立[PDFファイル]
- 豚呼吸器複合感染症の感染試験系確立と肺炎に伴う肺サーファクタントの発現変調[PDFファイル]
- ルーメン微生物生態系の解析手法の開発とルーメン発酵制御系の検出[PDFファイル]
プロジェクトの実施期間と参画機関
1.プロジェクト期間:
平成18年度~平成19年度
2.参画機関:
- 中央農業研究センター
- 作物研究所
- 果樹研究所
- 花き研究所
- 野菜茶業研究所
- 動物衛生研究所
- 北海道農業研究センター
- 東北農業研究センター
- 九州沖縄農業研究センター
- 森林総合研究所
- 畜産草地研究所