植物防疫研究部門

防除基盤研究領域

気候変動の進行により、気温上昇に伴う害虫の越冬可能域や生息適地の拡大への懸念、偏西風や季節風など大陸からの風の場の変化を介した長距離移動・飛来の起こり方の変化も懸念されており、さらに、人・モノの交易の増大に伴い、海外由来の有害病害虫の侵入リスクが高まっています。とりわけ、海外から毎年飛来する害虫による農業被害は増加傾向にあり、食料安全保障上の重要課題となっています。さらに、環境に配慮した病害虫管理への要請が強まる中、みどりの食料システム戦略が目指す持続可能な農業・食品産業の実現に向けて、化学農薬のみに依存しない、予防的・省力的で環境負荷の低い耕種的・物理的病害虫防除技術の開発が求められています。そのため、本研究領域では、種苗の輸出入に活用可能なハイスループット種苗検査技術を確立します。また、耕種的防除では、高リスク病害虫、特に侵入警戒ウイルス・ウイロイドに対する抵抗性素材の探索を進め抵抗性品種開発に貢献する技術開発や、海外侵入有害線虫対策の生態的特徴の解明と、有効な輪作作物を提示します。さらに、超音波や光等を用いた新たな物理的害虫防除技術の開発に取り組みます。また、海外飛来性害虫対策として、国際連携により薬剤感受性のモニタリング技術を高度化するとともに、海外飛来をするイネウンカなどの防除適期の判断を支援する水田内の発生予測手法を開発します。

ツマジロクサヨトウの成虫
イネの株もとで増殖する
トビイロウンカ
テンサイシストセンチュウ
のシスト

領域長

植原 健人 (うえはら たけと)

副領域長

眞田 幸代 (さなだ さちよ)

所属研究グループ