植物防疫研究部門

基盤防除技術研究領域

病害虫による被害によって、地球上の食料生産の30%近くが失われているといわれています。近年、気候変動やグローバル化によるヒトやモノの往来の増加により、新たな病害虫の海外からの侵入リスクが高まっており、また、海外から毎年飛来する害虫による農業被害も増加しています。一方で、病害虫防除にあたっては、環境と農業者への負荷の低減が求められるとともに、農作物の輸出に際しては相手国の基準に合った防除法が求められています。このような背景から、基盤防除技術研究領域では、高リスク病害虫・越境性病害虫(国内にまん延した場合に農作物等に重大な損害を与えるおそれのある病害虫)の早期発見・防除による食料安全保障と地域経済への影響回避に向け、 海外飛来性害虫の高精度飛来予測技術と防除対策技術を確立するとともに、高リスク病害虫・越境性病害虫情報のデジタル化と高速情報通信網を通じた情報活用のためのプラットフォームを構築します。また、害虫被害ゼロを目指した新規物理的防除法等の最先端無農薬防除技術の基盤技術構築に取り組みます。

基盤防除技術研究領域で対象としている主な病害虫・線虫

領域長

植原 健人 (うえはら たけと)

所属研究グループ