植物防疫研究部門

海外飛来性害虫・先端防除技術グループ

当研究グループでは、中国大陸・フィリピンなどの海外から飛来し、日本国内の作物に被害をもたらす害虫について、いつ・どこから飛来してくるかを予測するシステムの開発や、国内でどのような条件で多発生するかなどの発生生態を解明し、効果的な防除対策技術の開発を目指しています。特にトビイロウンカなどの海外飛来性イネウンカ類については、飛来源である中国・ベトナムとの国際共同研究を精力的に行い、飛来源での多発生を防ぐための防除対策技術の開発と普及、国内では飛来予測システムや発生予察技術の高精度化を重点的に進めています。また、最近では、2019年に新規に日本国内に飛来侵入し、飼料作物を中心に被害をもたらしたツマジロクサヨトウに対する防除技術開発のため、公設試や大学と共同研究を開始し、一部の研究成果を農水省植物防疫課が公開する防除マニュアルに反映させるなど、緊急課題に迅速に対応しています。また、超音波やレーザーを使った物理的手法、あるいは昆虫と昆虫・昆虫と植物とのコミュニケーションに関わるにおい等の化学情報など、全く新しい手法を利用した害虫の行動制御技術や発生予察技術の開発を目指して研究を行っています。

ツマジロクサヨトウ成虫と飼料用トウモロコシを加害する幼虫

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