植物防疫研究部門

生物的病害虫防除グループ

天敵・忌避剤等を活用して環境や人への負荷を軽減する技術により、効率的に病害虫の侵入や蔓延を阻止し、生産性の向上と環境保全の両立、食料の安定供給、重労働からの解放、相手国の基準に対応した輸出産品の生産を図ることが望まれています。これまで農研機構では民間企業や都道府県の試験研究機関等と連携して、天敵保護資材やタバコカスミカメとその温存植物、アブラバチ用次世代型バンカー等の天敵資材や補助資材、AG剤・PDJ剤の害虫忌避剤の利用技術を開発してきました。当グループでは生物防除の専門家のチームサイエンスにより、これら複数の天敵種と補助資材を複合的に活用し、さらに害虫忌避剤等の新技術を組み合わせることにより、施設主要野菜で化学合成殺虫剤を50%削減する環境負荷低減型病害虫管理体系の構築を目指しています。また、さらなる天敵利用技術の発展に向けて、野菜等の栽培圃場における土着天敵の機能解明から資材化・活用のための基礎技術を開発することも目指しています。病害防除についても、発生程度を低減する微生物の利用法や病原体特性に基づく殺菌剤非依存型防除法など、環境負荷を軽減できる技術を開発していきます。

アブラムシに産卵する天敵アブラバチ(左)とコナジラミ・アザミウマの天敵タバコカスミカメ(右)

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