東北農業研究センター

お米のよくある質問集

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病気や害虫を防ぐための農薬には、どういうものがあるのですか?

害虫を防ぐ農薬について

水田の害虫を防ぐために使われる農薬は、虫の神経を麻痺(まひ)させたり、消化中毒を起こさせて虫を殺します。

農家が田植の時に粒状の農薬を育苗箱にまいたり、液体や粉状・粒状の農薬を水田にまきます。

また、ヘリコプターを使って空から広い範囲に一斉にまいている市町村もあります。害虫の種類ごとに使える農薬の種類や使う量、まいてよい時期が細かく決められており、必ずこの基準を守って農薬を使わなくてはいけません。

秋田県の米作では、田植え後すぐに現れるイネミズゾウムシの成虫や、稲の穂が出るころに被害を与える斑点米(はんてんまい)カメムシに対して農薬を使っています。

その他、イネドロオイムシ、フタオビコヤガ、コブノメイガ、セジロウンカ、コバネイナゴなどの害虫防除のために農薬をまく場合もあります。これらの害虫については、水田での害虫の発生と被害の様子を見て防除が必要かどうかを考えてから、基準に従って農薬をまきます。

病気を防ぐ農薬について

稲では現在、69種類の病害が知られています。稲に使う農薬は、病気の種類に応じて、病気を防いだり、病気になった稲を治療したりするために使われます。

農薬には、大きく分けると、

(1)病気の原因である病原菌を、殺したり弱らせてしまうもの。

(2)直接病原菌を殺す力はないが、稲が農薬を吸収すると、病気にかかりにくい稲になる効果をもつもの。

の2つがあります。

たとえば、私たちの住む秋田県の水田でも毎年発生する病気の一つに「イネいもち病」がありますが、現在この病気に効く農薬では、(2)のタイプのものや、(1)と(2)の両方の効果を持っているものがよく使われています。

病気が出る前は、(2)のタイプの農薬を使って病気を予防して、もしいもち病にかかってしまったときは、(1)の効果をもつものを使って治療したり、これ以上病気がひどくならないようにします。

農薬の形(剤型といいます)やまき方にも色々あります。

粉状や液体状の農薬で、水に溶かして作物にスプレーするものや、粒(つぶ)状になっていて田んぼの水面や畑の土ににぱらぱらとまくもの、粉状の薬を専用の機械で作物にふりかけるものなどがあります。