東北農業研究センター

お米のよくある質問集

病害に関することの質問一覧へ

病気による被害はどれだけ大きいのですか?人には害はないのですか?

農作物の病気による被害で最も有名なものは、1845年にアイルランドでおこった、「ジャガイモ飢饉(ききん)」です。

それは、主食であったジャガイモに疫病という病気が大発生し、ジャガイモすべてが腐ってしまったため、100万人を超える餓死者(がししゃ)が出ました。また、食べ物を求めて20万人以上の移民が出たともいわれています。

稲の最も恐ろしい病気であるいもち病は古くから知られていたようで、わが国では1680年に「イリモチ」という名で記録されています。昔の冷害や凶作年には、いもち病による被害もずいぶんと含まれていると思われますが、正確な資料が残っていないので不明です。

最近では、平成5年の冷害時にいもち病が全国各地で大発生し、お店からお米がなくなったということがありました。私たちの主食であるお米がなくなるという非常事態でした。

幸い次の年が豊作でこの問題は1年限りで解決しましたが、今後もそのようなことが起こる可能性は十分にあります。

それから、農作物に病気をおこす素・病原菌には人間や動物に生理障害(発ガン性や臓器障害など)を起こす毒・マイコトキシンを産生するものがいます。

飼料ピーナッツの汚染かび Aspergillus flavus によるアフラトキシンやムギ類赤かび病菌によるデオキシニバレノール(DON)などが有名です。稲の病原菌は、今のところ人間に害を与えるマイコトキシンなどは産生しないので安心してください。