お米の品種は、それぞれ違う特徴をもっています。
目に見える特徴であれば、丈の長さや葉や茎、穂の形や色、穂が出る時期、お米の粒の形や色など多くの特徴が品種を区別するときの目印になります。
また、目に見えにくい特徴として、病気へのかかりやすさ、倒れやすさ、お米の味や成分の違いなどがあります。
しかし、わたしたちが普段の食事で食べているお米 (うるち米) の品種を区別することは、とても難しいです。たとえば、「コシヒカリ」と「ササニシキ」をくらべると、穂が出る時期はササニシキの方が早く、ご飯の味はコシヒカリの方がササニシキよりねばり気が強いのですが、練習をしないとその違いを区別することはなかなかできません。
お米の粒だけでうるち米の品種を区別することはさらに難しいです。そのため、「コシヒカリ」と表示されているお米が売っていても中身が本当にコシヒカリなのどうかは、見た目では分かりません。
そこで活躍するのが「DNA判定」です。DNAは生き物の設計図をつくる生き物共通の化学物質です。また、DNAは生き物やもちろんお米の品種の間でも違いがあります。DNA判定はそのDNAの違いを区別してお米の品種の違いを見分ける方法です。
最近、このDNA判定を利用して、コシヒカリではないお米をコシヒカリに混ぜて「100%コシヒカリ」と言って売っている悪い業者がみつかり、罰せられています。うるち米の品種どうしを区別することは難しいことですが、うるち米ともち米、有色米、醸造用米 (酒米) を区別することは次のような特徴に気をつけると比較的かんたんです。
もち米
うるち米が透明なのに対してもち米は白く不透明です。またもみを注意してみると先端に色がついているものが多いです。
有色米
お米の表面が赤色や黒色になっています。
醸造用米
お米の粒の大きさが、ふつうのお米よりやや大きく、中心部が白くにごっているものが多いことが特徴です。