お米の味が違うのは、お米の中の成分の割合がそれぞれ違うからです。
お米の味の成分として、炭水化物である「でんぷん」という成分があります。このお米のでんぷんはアミロースとアミロペクチンという2つの成分からできています。
この二つの成分の割合は、ご飯のねばり気と関係があります。たとえば、アミロースの割合が低いとねばり気が強くなり、高いとパサパサした感じのご飯になります。アミロースの割合は、品種やお米が実るときの温度で変わりますが、日本のふつうのウルチ品種では、おおよそ17%くらい含まれています。
日本人がねばり気のあるご飯が好きなことに注目して、最近では、「低アミロース米」というお米がつくられています。これは、ふつうのウルチ米より、ねばり気を強くしたお米です。冷めてもやわらかくお弁当やおにぎりに合います。また、ふつうのお米に混ぜて炊くとほどよくねばり気がまして、おいしくたべられます。
しかし、ねばり気が強いご飯が必ずおいしいご飯になるわけではありません。なぜなら、アミロースのほかにも、たくさんの成分が味に関係しているからです。
アミロース以外でお米の味に関係している主な成分としては、タンパク質があります。タンパク質はお米に7%くらい含まれていますが、タンパク質が少ないほどおいしいお米になります(ただし、タンパク質が少なすぎても味が落ちます)。
このほかに、ご飯の味を決める成分として、糖や脂質、香りの成分などがあります。これらの成分がバランスよく含まれることで、初めておいしいお米になるのです。
コシヒカリやあきたこまちがおいしいのは、これらの成分がバランスよく含まれているからです。