東北農業研究センター

お米のよくある質問集

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収穫した後の稲わらやぬかなどは肥料にできますか? もし、肥料にできるなら、その方法を教えてください。

販売用の肥料にすることは難しいかもしれませんが、自分で使用する自給有機質肥料にするのであれば、比較的簡単です。

「稲わら」の場合

稲わらはある程度の量を堆積(山にして積んでおく)し、発酵させて、堆肥にして使用しています。発酵とは、微生物でわら中の有機物を分解し、植物が利用しやすいように養分の形を変えることです。この場合、ある程度、わらがたくさんないと、堆積しても温度が上がらず発酵が進みにくくなります。また、わらには炭素がたくさん含まれていますが、窒素が少ないので、そのままでは発酵しにくい場合もあります。また、有機物分解が進みやすいようにアルカリ性の資材を加えることも効果的です。

一例を挙げますので、参考にしてください。

  • 稲わら400kgに消石灰20kgを加え、水をかけて山に積む。
  • 2週間後にわらの山を切りくずし、窒素を成分で1~2kgほど加える。窒素源としては、化学肥料として販売されている硫安や石灰窒素が良いでしょう。石灰窒素を使う場合は、1番の消石灰は不要です。
  • 再び山積みにした後、1~3回程度、わらの山を切り返し、空気を入れる(空気が不足すると発酵が進みにくい)。

これで稲わら完熟堆肥が完成しますが、化学肥料に比べると養分含有量がかなり少ないので、いきなり堆肥だけで植物を育てるのは難しく、化学肥料と併用するのが良いでしょう。

「米ぬか」の場合

  • 米ぬかにもみがらやナタネ油粕、腐葉土などを混ぜて、手に湿り気を感じる程度に水を加える。
  • おけやドラム缶に入れて密封して雨のかからない涼しいところに置く。夏で1ヶ月、冬で3ヶ月を目安にする。

なお、稲わら100kgと米ぬか5kgをまぜ、粉状の過燐酸石灰や硫安を加えて、堆肥を作る方法もあります。ただし、何れの場合も、ある程度の量がないと発酵しないので、完熟堆肥を作るのは難しいです。