水田一年生雑草として広く見られるアゼナ類には、アゼナ(Lindernia procumbens (Krock) Borbas)、アメリカアゼナ(Lindernia dubia var. major Pennell)、タケトアゼナ(Lindernia dubia var. dubia Pennell)がある(文献1,2,3)。このうち、アメリカアゼナとタケトアゼナは北アメリカ原産の帰化種である。アメリカアゼナとタケトアゼナは非常に良く似ているが、葉の基部が細く葉柄状になっているのがアメリカアゼナ、葉の基部が丸く葉柄が見られないものがタケトアゼナであり、葉の形態で両者を区別することができる。アメリカアゼナをアメリカアゼナのCタイプ(cuneate[くさび状の]の頭文字)とし、タケトアゼナをアメリカアゼナのRタイプ(round[丸い]の頭文字)として両者を区別している場合もある(文献4,5)。
文献
- 雑草研究(1992)37(別1);124-125
- 雑草研究(1997)42(別); 164-165
- 写真で見る外来雑草(1994)p.19畜産技術協会編
- 農薬(1996)43(1):48-50
- ミニ雑草図鑑 雑草の見分けかた(1996)p.14広田伸七編、全国農村教育協会
アゼナ(Lindernia procumbens(Krock) Borbas)
一年生の在来種。茎は四角柱。
葉は卵状楕円形で5本の平行脈が目立つ。
葉は葉柄がなく、全縁(鋸歯がない)。
アメリカアゼナ(Lindernia dubia var. major Pennell)
一年生の帰化種。茎は四角柱。
葉の基部が葉柄状に細くなる。
葉に明瞭な鋸歯がある。
タケトアゼナ(Lindernia dubia var. dubia Pennell)
一年生の帰化種。茎は四角柱。
葉の基部が丸く葉柄はない。
葉に鋸歯があるがやや不明瞭。