研究活動報告

令和3年度「STI for SDGs」アワード優秀賞受賞いたしました

情報公開日:2021年11月12日 (金曜日)

受賞対象業績

取り組み名 : ICTを活用した水田管理で地域の水利用を最適化

取り組み概要

近年、少子高齢化に伴う人口減少が社会問題となっており、農業においては農村の過疎・高齢化による労働力が減少しており、水田の水管理、水利施設の稼働・点検などの労力が不足している。また、水田での水使用量は工業用水や生活用水も含めた全ての水使用量の約60%を占めており、水田での水利用の最適化も重要な課題となっている。 本取り組みではICTを活用した「水田の給水・排水管理を遠隔・自動化するシステム(WATARAS)」と「地域の農業用水配分を最適化するシステム(iDAS)」を開発。両システムの効果的な導入により、地域の水利用の最適化、大幅な省力化、水稲の生産性向上、大幅な省エネルギー化の実現を可能とした。今後は、水管理データの標準化、気象や土壌などの情報プラットフォームとの連携に向けたAPI構築により、データ駆動型農業の推進を目指す。また、水田から河川に至る排水を最適制御する機能の拡張により、豪雨の際に水田の貯水機能を高め、農村や下流の都市の洪水リスクの緩和の実現も目指している。さらに、水田稲作が拡大しているアジアやアフリカへの展開が可能であり、水田からの温室効果ガスの排出削減にも貢献できる取り組みとなっている。

左:若杉晃介上級研究員(農村工学研究部門農地基盤情報研究領域農地整備グループ)
右:中矢哲郎グループ長補佐(農村工学研究部門水利工学研究領域水利制御グループ)

関連情報

《こぼれ話22》スマホで水田の水管理がらくらくに

https://www.naro.go.jp/laboratory/brain/contents/fukyu/episode/episode_list/138316.html

(研究成果)ICTを活用した圃場ほじょう-水利施設連携による効率的な配水管理制御システムを開発

https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nire/119976.html

(動画)スマホでらくらく 田んぼの水管理

https://www.youtube.com/watch?v=tdwMKx-a2hs&list=PLW99yTRNzVkNDB0HaCIwbaqGa-m4ikBF2&index=13

(動画)ICTを活用したほ場・水利施設の水管理自動制御システム/p>

https://www.youtube.com/watch?v=j1mrcuGSV1Y