研究活動報告

日本農芸化学会 2023年度大会 トピックス賞 受賞

情報公開日:2023年9月13日 (水曜日)

賞の名称

日本農芸化学会 2023年度大会 トピックス賞

授賞者

公益社団法人 日本農芸化学会

受賞対象

Aspergillus属麹菌を用いた表面カビ熟成チーズの揮発性および水溶性成分のプロファイル解析

受賞者

農研機構食品研究部門 食品加工・素材研究領域バイオ素材開発グループ
主任研究員 冨田
グループ長補佐 野村 将
研究員 林田 空
上級研究員 萩 達朗
上級研究員 小林 美穂
上級研究員 鈴木 聡
他5名(農研機構外)

受賞日

2023年3月24日

賞の概要

日本農芸化学会2023年度大会(2023年3月14日~17日)では1,194演題の一般講演が行われ、そのうち話題性の高い31演題がトピックス賞に選定されました。本研究の対象である「麹チーズ」は、日本の伝統的発酵食品の要である麹菌を活用して開発された、新規なソフトタイプ・表面カビ熟成チーズです。麹チーズは既存のチーズ製品と異なる独特の風味を有しているため、含有する香気・呈味成分の組成をメタボローム解析(多成分の一斉分析法)により解析し、化学的特徴の解明に取り組みました。
解析の結果、麹チーズはアミノ酸の高蓄積と脂質代謝物の低生産が主な特徴であり、既存の白カビチーズや青カビチーズと差別化される香気・呈味成分の組成を有することが明らかとなりました。また、用途や特徴が異なる様々な麹菌を麹チーズに用いたところ、化学的特徴の異なる熟成チーズが得られました。本研究によりチーズ熟成に対する麹菌の働きが明らかとなったことで、日本オリジナル・ナチュラルチーズの新製品創出や普及促進につながると期待されます。

※麹チーズ 参考ページ
https://www.naro.go.jp/laboratory/brain/contents/fukyu/episode/episode_list/143338.html

【画像】賞状