研究活動報告

「東北地域タマネギ栽培セミナー 2025」 を開催しました

情報公開日:2025年2月19日 (水曜日)

開催日時

2025年1月17日 (金曜日) 13時 ~ 16時30分

開催場所

いわて県民情報交流センター (アイーナ) 8階 小田島組☆ほ~る

参加登録者数

204名 ( 内訳 : 生産者45名、JA18名、民間企業54名、行政機関24名、大学等3名、マスコミ1名、農研機構43名、その他4名 )

開催概要

国産タマネギの周年供給力の強化に向け、夏季の端境期出荷が可能な東北地域等への新たなタマネギ産地の拡大に期待が寄せられています。こうした背景のもと「東北タマネギ生産促進研究開発プラットフォーム」が設立され産地形成の取り組みを行っていますが、東北地域のタマネギ生産は、定植・収穫作業の適期が北海道や西日本よりも短く、大規模になるほど適期作業を行うことが難しく、また、担い手が減少するなか、新規就農者が参入するハードルも高い現状にあります。
これらの課題に対応するために、本セミナーでは新たな栽培法やスマート農業技術を活用した栽培技術開発の現状について報告するとともに、東北地域におけるタマネギ栽培の発展方向についてパネルディスカッションを行い議論を深めました。

開会にあたり、農研機構東北農業研究センター 川口所長からは、弊所を中心として担い手減少に対応する技術開発を進めているところであり、この取り組みがタマネギ栽培への次の一歩となるよう活動をつなげていってほしいとの挨拶がありました。

次に、みらい共創ファーム 秋田涌井代表からは、これまでのタマネギ栽培への取り組みを通じて、東北地域ではある程度の技術が開発されてきており、今後はそれらを現場に落とし込んでいく必要があるとの挨拶がありました。

話題提供では、はじめに東北農政局生産環境部環境・技術課 木村課長補佐から「スマート農業技術活用促進法について」と題して、スマート農業技術の普及を促進するための法律について紹介がありました。
続いて「新たなタマネギ栽培技術の開発状況」をテーマに以下4題の話題提供を行い、それぞれ質疑を行いました。

  • 1)秋田県産タマネギの生産性改善による自給率向上モデル実証 (農研機構東北農業研究センター 林 智仁)
  • 2)タマネギべと病菌の生態と防除について (農研機構東北農業研究センター 川邑 菜々美)
  • 3)春秋タマネギのセット栽培という新たな技術体系とセット球植付機の開発 (双日株式会社 久世 修一郎、農研機構東北農業研究センター 兒玉 巽)
  • 4)産地ネットワーク構築に向けたタマネギ生産管理の DX 化 (農研機構東北農業研究センター 山本 岳彦)

質疑では、遠隔営農システムの実用化に向けた生産者の参加についての要請、べと病に対する農薬の散布時期や効果的な施用法についての質問のほか、セット球と直播の比較が必要との意見や、採算性への質問がありました。

パネルディスカッションでは、農研機構東北農業研究センター 塚﨑研究領域長の座長のもと、これまでの講演に対する会場からの質問に回答する形で、海外でのセット球栽培の現状について、農研機構東北農業研究センター 室グループ長から紹介がありました。また、タマネギ生産管理のDX化については、タマネギだけではなく他の作物と組み合わせた場合の生産管理まで出来るようにして欲しいとの要望を受けました。産地拡大と産地維持について必要なことについても質問があり、これについては、産地内の情報共有を図っていけるネットワークの構築が必要との意見が多く寄せられました。

当日の様子

写真 講演の様子
講演の様子
写真 パネルディスカッション
パネルディスカッション

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