開催日時
2026年3月5日 (木曜日) 10時30分 ~ 16時00分
開催場所
盛岡市民文化ホール (マリオス) 大ホール
参加登録者数
227名 ( 内訳 : 生産者33名、JA16名、民間企業50名、大学・教育機関5名、行政機関29名、公設研究機関22名、農研機構64名、その他8名 )
開催概要
我が国の農業は、気候変動による洪水、干ばつ等の自然災害の多発や、国内人口減に伴う農産物需要の減少・労働力不足、円安等による農業機械・資材価格の高騰など大きな変化に直面しており、農業の生産性向上と持続可能性の両立を図ることが喫緊の課題とされています。こうした課題解決に向け、本フォーラムでは、生産性の高い持続的な水田農業を確立していくため、米国アーカンソー州の事例から我が国の将来の水田農業の方向性を探るとともに、農林水産省の委託プロジェクトとして令和5年度から3か年間取り組んだ「子実用とうもろこしを導入した高収益・低投入型の大規模ブロックローテーション体系の構築プロジェクト」の研究成果について報告し、省力・低コスト生産に寄与する水稲乾田直播栽培と子実とうもろこし栽培の取組事例の検討、及び普及方策等について生産者や農業関係者間の意見交換を行いました。
主催者である当センターの若生所長に続いて、岩手県農林水産部農業普及技術課 鈴木総括課長 (代読者:稲田農業革新支援担当課長)からの挨拶の後、篠遠主任研究員が「"日本の常識"を超えた水田農業−米国アーカンソー州から考える日本の水田農業の将来と強み−」と題した基調講演を行いました。
次にプロジェクトの成果報告では、長谷川領域長の座長のもと、以下2題の話題提供と質疑が行われました。
- (1) 東北地域における高収益・低投入型ブロックローテーション体系の構築
農研機構東北農業研究センター 冠 秀昭、幸田和也 - (2) 九州地域における高収益・低投入型ブロックローテーション体系の構築
農研機構九州沖縄農業研究センター 高橋仁康
佐賀県神埼市 (有)アグリベースにいやま 代表 古賀洋一郎
その後、以下2題の事例報告が行われました。
- (1) 水稲乾田直播栽培(北海道岩見沢市)
岩見沢市農業試験圃 農業技術専門員 西飯弘行 - (2) 子実とうもろこし栽培(福島県南相馬市)
福島県相双農林事務所 技師 野口泰世
(株)相馬牧場 代表取締役 相馬秀一
パネルディスカッションでは、髙橋領域長が座長を務め、講演者8名のほか古川地域での実証試験立ち上げに関わった全農鳥取県本部の小里本部長をパネリストに迎えました。テーマは、話題にしてほしいことについて参加者へ事前にアンケート調査した結果をAIに読み込ませて設定しました。水稲乾田直播の課題については、機械が高額で20ha以下の面積では導入できないとの意見がある一方、振動ローラーであれば小面積でも導入可能との発言もありましたが、面積が大きくなれば苗作りが追いつかず、いずれは直播に移行せざるを得ないとの認識は共通していました。子実とうもろこしの利用については、輸入とうもろこしとの競争になるため、規模のメリットを活かせる形にする、地域の畜産に使ってもらうなど付加価値を付けるといったコメントがありました。とうもろこし栽培のベース技術はできており、流通や貯蔵の部分が課題であるとの認識で一致していました。ブロックローテーションの実現に向けては、地域の合意やブロックを作れる体制づくりが必要とのコメントがあるなど、活発な議論が行われました。
当日の様子