重点普及成果
子実トウモロコシの安定多収生産体系と簡易調製貯蔵方法の普及拡大
本技術開発の背景
飼料の安定供給や水田フル活用に向けて、水田転換畑で子実トウモロコシを生産する取り組みに関心が高まっています。子実トウモロコシの先進地域である北海道では、ここ数年の間に子実トウモロコシの生産が拡大し、単収も高い水準にあります。一方、都府県、特に関東以南の地域では、作付面積や生産量はまだ少なく、単収も北海道に比べて低い水準に留まっています。この理由の一つとして、温暖な地域での子実トウモロコシ生産では、害虫や台風等による折損および倒伏に加え、湿害によって減収することが課題となっており、これらのリスクを抑えた作型や地域に適した子実多収となる有望品種など、必要とされる技術情報の整理がまだ十分に進んでいないことが挙げられます。
技術概要
- 青刈り用に国内で販売されている飼料用トウモロコシ品種について、子実収量や早晩性に加え、耐倒伏性、耐病性などの観点から、地域別・作型別の有望品種を選定しました。
- 水田転換畑での栽培で重要となる排水対策のほか、肥培管理や害虫・雑草対策などを含めた安定多収に向けた栽培・収穫技術について、その有効性を生産現場で明らかにしました。
- 子実収穫後の簡易で低コストな取り扱い方法として、水田生産者が子実を乾燥せずに丸粒のまま一時的に貯蔵したあと、地域内のTMRセンターや自家配合を行う畜産農家が子実を利用するための調製貯蔵方法(フレコン内袋法)を開発しました。
- 大学や公設試などと連携し、これら水田転換畑等で子実トウモロコシを安定多収生産する技術体系(目標収量900kg/10aを達成)を取りまとめ、R7年3月に「子実トウモロコシ生産・利活用の手引き(都府県向け)第2版」を公表しました。
技術に関する問い合わせ先
参考情報
普及成果情報
プレスリリース
論文
その他研究成果