重点普及成果

多収ダイズ品種「そらみのり」

本技術開発の背景

ダイズは豆腐、味噌、納豆など日本の伝統的な食品に加工される重要な作物ですが、2024年の日本国内の単収は164kg/10aで、米国の単収(341kg/10a)の半分程度に留まっています。一方、米国品種は主に搾油用として育成されており、国産ダイズの主用途である豆腐の加工適性に影響を及ぼすタンパク質含有率が一般的に低い傾向にあります。そのため、日本品種が有する優れた豆腐等への加工適性と米国品種が有する多収性を兼ね備えた品種の育成が国内において求められていました。農研機構では、豆腐等の加工適性に優れた日本の系統と米国の極多収品種を交配し、選抜を行って新品種「そらみのり」を育成しました。

技術概要

  • 生産者ほ場における現地実証試験で、西日本の主力品種「フクユタカ」と比較し、4割程度多収です。
  • 莢がはじけにくい特性(難裂莢性)を持ち、収量ロスを低減することができます。
  • 温暖化に伴って被害の拡大が懸念される、葉焼病に対して抵抗性を持っています。
  • へその色が"黄"であり、子実の外観品質が優れ、豆腐、納豆に利用できます。

技術に関する問い合わせ先

農研機構 九州沖縄農業研究センター 研究推進部 研究推進室

参考情報

普及成果情報

プレスリリース

標準作業手順書(SOP)

  • 多収大豆品種「そらみのり」標準作業手順書(作成中)

論文

その他研究成果

  • 「そらみのり」:品種登録出願公表第36797号(2023年8月10日)