ポイント
- ・農研機構は「安価かつ簡便にハウス環境を遠隔監視できる通い農業1)支援システム標準作業手順書」を本日、ウェブサイトで公開しました。
- ・本手順書は、遠隔地に位置したり分散したりしている農業用ハウスを管理する生産者や普及担当者を対象に「通い農業支援システム」の製作方法を解説したものです。
- ・本手順書に沿って「通い農業支援システム」を製作することで、ハウス内の温度等の情報が必要なタイミングでスマートフォン等に届き、ハウスの見回り作業の省力化に役立ちます。
概要
農業経営には農業用ハウスの見回り作業が必要不可欠であるものの、ハウスが複数箇所に分散している場合や、居住地から遠く離れたハウスを往来しながら農業を行う「通い農業」を行う場合には、実際にハウスに足を運び温度などを確認することが大きな負担となっています。特に、労働力の確保や担い手不足の問題を抱えた地域においては、遠隔で生産ほ場の状況を確認可能な支援策が必要です。
そこで、2021年8月、農研機構では生産者の見回り作業の負担軽減のために、生産者自らが安価かつ簡便に製作・運用でき、スマートフォンでハウス内の状況を遠隔で確認可能な「通い農業支援システム」を開発し、製作マニュアルを公開しました※。
この度、上記マニュアルに対し多数のお問合せをいただき、2024年3月6日、マイコンやセンサの設定に関して詳細な情報を加えた、「安価かつ簡便にハウス環境を遠隔監視できる通い農業支援システム標準作業手順書」をウェブサイトで公開しました。
【標準作業手順書掲載URL】安価かつ簡便にハウス環境を遠隔監視
できる通い農業支援システム標準作業手順書
https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/laboratory |
本手順書では、生産者や普及担当者を対象とし「通い農業支援システム」の製作方法を解説しています。本システムを利用するために必要なハウス内に設置する無線通信機能付きマイコンや小型PCの設定について、図を用いてわかりやすく解説しています。
本標準作業手順書を活用した「通い農業支援システム」の普及拡大を通じて、生産者の見回り作業の省力化が推進されることが期待されます。
<関連情報>
予算:食料生産地域再生のための先端技術展開事業「原発事故からの復興のための放射性物質対策に関する実証研究」
※(プレスリリース)安価かつ簡便にハウスの情報をスマートフォンで確認
−「通い農業支援システム」製作マニュアルを公開−(2021年8月)
https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/tarc/141378.html |
参考動画:(農研機構YouTubeチャンネル「NAROchannel」)
ハウスの情報をスマホで確認「通い農業支援システム」
問い合わせ先など
研究推進責任者 : 農研機構東北農業研究センター 所長 川口 健太郎取材のお申込み・プレスリリースへのお問い合わせ(メールフォーム)
用語の解説
- 1) 通い農業
特にここでは東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う避難後に、避難先や新たな居住地から営農が再開された地域に通いながら農業を行うこととしています。