品種詳細

越神楽

「越神楽」は寒冷地南部では晩生の早に属する粳種で、長稈、中間型の品種である。醸造時のアルコール収率および生成酒のアミノ酸度は「山田錦」並であり、やわらかさと深みのある酒質を示すことから、米および掛米としての利用が期待される。

主要特性

「越神楽」は、1996年北陸農業試験場(現 中央農業総合研究センター・北陸研究センター)において、栽培特性と醸造適性の両立を目指して、酒米品種「山田錦」と「北陸174号」を交配した後代から育成された酒造用品種である。

  • 玄米千粒重は25g前後で、兵庫県産「山田錦」よりわずかに小さく、整粒歩合はほぼ「山田錦」並で、45%精米時の砕米率は、年次によって変動があるが、「山田錦」並かやや少なく、高度精米耐性がある。
  • 「山田錦」より、45%精米のタンパク質含量は0.5%程度高く、吸水速度はわずかに遅く、麹の力価はわずかに低い。
  • 醸造時のアルコール収率および生成酒のアミノ酸度は「山田錦」とほぼ同等である。
  • 「越神楽」の生成酒は「味がしっかりし、やわらかさと深みがある」と評価され(原酒造株式会社)、「繊細できれい」な「五百万石」や「味の奥行きがあり、やわらかみの奥から味が徐々に広がる」と評価される「山田錦」とは異なることから、新たな商品開発が期待できる。
  • 「日本晴」より出穂期は6日、成熟期は8日ほど早く、育成地では“晩生の早”に属する。稈長は“やや長”で、草型は“中間型”であり、耐倒伏性は“やや弱”、千粒重は「日本晴」より重い。収量は「日本晴」並であり、掛米としても十分利用可能な収量性をもつと考えられる。
  • いもち病真性抵抗性遺伝子はPiaを持つと推定され、葉いもち、穂いもちともに圃場抵抗性は“中”である。穂発芽性は“やや難”、障害型耐冷性は“やや弱”である。縞葉枯病に対して罹病性である。

北陸および関東以西

出願番号
(出願日)
公表日 登録番号
(登録日)
育成者権の存続期間
21394
(2007年8月27日)
2007年12月 5日 19056
(2010年2月19日)
25年
(満了日:2035年2月18日)
交配組み合わせ 旧系統名
山田錦/北陸174号 北陸酒206号