品種詳細

おくのむらさき

早生、短稈、やや大粒、多収の水稲紫黒米粳品種「おくのむらさき」を育成した。用途は、赤飯、黒粥、だんご、寿司等の着色米飯、着色酒のための醸造用原料等である。

主要特性

  1. 「おくのむらさき」は、紫黒米糯系統の「東北糯149号」を母、短稈、多収の粳系統「奥羽311号」 (ふくひびき) を父とする組合せから育成された紫黒米粳品種で、「朝紫」と同様に葉身や籾の一部が紫色を呈し、一般品種と容易に区別のつく特徴がある。
  2. 出穂期は「あきたこまち」と同程度であるが、成熟期は4日程度遅く、育成地では "早生の晩"に属する。
  3. 短稈で耐倒伏性は“強”、耐冷性は“弱”、穂発芽性は“やや難”である。いもち病真性抵抗性遺伝子型は“Pi-b”を持つと推定され、葉いもちと穂いもちの穂場抵抗性は不明である。また白葉枯病に“やや弱”である。
  4. 草姿は止め葉が直立し良好で、収量は「あきたこまち」より7%低いが「朝紫」より11% 高く、紫黒米としてはかなりの多収性である。
  5. 玄米は、千粒重が24.3gのやや大粒で、表層は紫黒米特有の紫黒色を帯び、色素含量は「朝紫」より少ない。精米すると一般の粳品種と変わらない白米となり、その食味は “中上”である。

栽培適地

栽培適地は東北中南部

出願番号
(出願日)
公表日 登録番号
(登録日)
育成者権の存続期間
12623
(2000年7月 5日)
2001年3月13日 11088
(2003年3月17日)
20年
(満了日:2023年3月17日)
交配組み合わせ 旧系統名
東北糯149号 x 奥羽331号 奥羽368号