品種詳細

紫こぼし

水稲「紫こぼし」は、東北地域に適する早生の紫黒米糯系統である。玄米は、粒長および粒幅が短く、千粒重は紫黒米「朝紫」の約半分で、極めて小さい。玄米にアントシアニジンを含むほか、「朝紫」や一般糯より食物繊維、カルシウム等を多く含む。

主要特性

  1. 「紫こぼし」は、極小粒の「関東195号」と早生の紫黒米糯品種「朝紫」を1998年に交配し、その後選抜固定を図ってきた極小粒の紫黒米糯系統である。
  2. 出穂期と成熟期は、育成地では“早生の晩”に属する。短稈で倒伏に強く、脱粒しにくいため、一般品種と同様に機械化体系での栽培が可能である。生育期間を通じて葉縁等が紫色を呈し、また、ふ先色が紫色のため一般品種との識別は容易である。
  3. 耐冷性は“弱”、穂発芽性は“難”、いもち耐病性は葉いもちが“やや強”、穂いもちが“やや弱”である。粗玄米重は「朝紫」の71%、「ヒメノモチ」の68%と低収であるが、極小粒の「つぶゆき」とは同程度である。玄米の粒長および粒幅が短く、千粒重は「朝紫」の54%、「つぶゆき」の71%と極めて小さい。
  4. 「朝紫」の玄米より食物繊維、カルシウム、チアミン、ビタミンE等の含量が高く、「ヒメノモチ」との比較ではこれら成分に加えタンニン等の含量が高い。
  5. 着色米飯の食味は、「あきたこまち」白米に「朝紫」玄米を10%混米したものと比較して、同じ10%では「朝紫」より優れ、20%では同程度であるため、「朝紫」よりも多くの紫黒米を摂取しやすくなる。

栽培適地

東北地域

出願番号
(出願日)
公表日 登録番号
(登録日)
育成者権の存続期間
22846
(2008年8月25日)
2008年10月28日 20714
(2011年3月18日)
25年
(満了日:2036年3月18日)
交配組み合わせ 旧系統名
関東195号 x 朝紫 奥羽紫糯389号

品種の利用許諾について