品種詳細

オオナリ

水稲「オオナリ」は、既存の水稲多収品種「タカナリ」の課題であった脱粒性を改良したもので、脱粒による収穫時の損失が少なくなっている。粗玄米収量は、多肥栽培で940 kg/10aに達しており、これまでで最も高いレベルの収量性の品種である。

主要特性

  1. 「オオナリ」は、多収性品種「タカナリ」のγ線照射による突然変異個体から選抜された粳種である。育成地における出穂期、成熟期は「タカナリ」と同じ"中生の早"である。
  2. 脱粒性の改良により収穫期の収量ロスが少なくなるため、粗玄米収量は早植・多肥区で940kg/10aと高く、「タカナリ」に比べて7%程度多収となる。耐倒伏性は "極強"、穂発芽性は"極難"、 耐冷性は"極弱"で、いずれも「タカナリ」並である。
  3. いもち病真性抵抗性遺伝子型は、Pia、Pib、Pita-2、Pi20のうち複数の遺伝子を持つと推定される。圃場抵抗性は、葉いもちは"弱"、穂いもちは不明である。白葉枯病抵抗性は"中"である。縞葉枯病には"抵抗性"である。
  4. 玄米の外観品質は「タカナリ」並で、「日本晴」より劣る"下上"である。粒形はやや細長く、食用品種と識別が可能である。
  5. トリケトン系4-HPPD阻害型除草成分(ベンゾビシクロン、テフリルトリオン、メソトリオン)に感受性が高いため、それらを含む除草剤は使用しない。
出願番号
(出願日)
公表日 登録番号
(登録日)
育成者権の存続期間
30270
(2015年6月17日)
2015年9月29日 25814
(2017年3月15日)
25年
(満了日:2042年3月15日)
交配組み合わせ 旧系統名
「タカナリ」のγ線照射による突然変異 関東264号