品種詳細
ふくのこ
「ふくのこ」は温暖地西部において"やや晩生"に属し、縞葉枯病抵抗性を有する高アミロース米品種である。アミロース含有率が27%程度で、製麺適性が高い。日本型品種の粒形であり、一般的な食用米と同じ方法で調製を行うことができる。
主要特性
- 「ふくのこ」は、アミロース含有率が高く、製麺適性に優れる「新潟79号」(後の「こしのめんじまん」)と、多収で縞葉枯病抵抗性を有する「関東229号」の交配後代から育成された品種である。
- 標肥栽培では、出穂期は「ヒノヒカリ」より2日、成熟期は4日ほど早く、温暖地西部では"やや晩生"に属する。
- 稈長は「ヒノヒカリ」より8cmほど短く、耐倒伏性は"強"である。
- いもち病抵抗性遺伝子Pia、Piiを持つと推定され 、葉いもち圃場抵抗性は"やや強"、穂いもち圃場抵抗性は"強"である。縞葉枯病には"抵抗性"、白葉枯病抵抗性は"弱"、穂発芽性は"やや易"である。脱粒性は「ヒノヒカリ」と同等の"難"で、「ホシユタカ」より明らかに脱粒しにくい。
- 収量性は、標肥、多肥栽培とも「ヒノヒカリ」や「ホシニシキ」より2割程度多収である。
- 玄米千粒重は「ヒノヒカリ」とほぼ同じ"中"で、玄米品質は「ヒノヒカリ」よりやや劣り、粒形は長円形である。「ヒノヒカリ」などと粒形が同等のため、選別、精米など従来の日本型品種に対応した調製方法が適用できる。
- アミロース含有率は、「ヒノヒカリ」より10ポイント程度高い27%前後で、「ホシニシキ」や「ホシユタカ」と同等である。
- 「ふくのこ」を米粉と水のみで米粉麺に加工した結果、製麺適性は「こしのめんじまん」と同等に良好であった。
栽培適地
関東以西の温暖地および暖地の平坦地
出願番号 (出願日) |
公表日 | 登録番号 (登録日) |
育成者権の存続期間 |
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30997 (2016年3月31日) |
2016年9月 9日 | 26777 (2018年5月21日) |
25年 (満了日:2043年5月21日) |
交配組み合わせ | 旧系統名 | ||
新潟79号(こしのめんじまん)/関東229号 | 中国215号 |