品種詳細
えみだわら
水稲「えみだわら」は、関東・東海地域では出穂期が「コシヒカリ」よりも3日程度遅く、成熟期は1週間程度遅い中生の粳系統である。出穂から収穫までの登熟期間は44日程度で、「コシヒカリ」よりも5日程度長くかかるが業務・加工用品種「やまだわら」よりも1週間短い。玄米収量が高く、玄米品質にも優れる。炊飯米は粘りが少なく、「コシヒカリ」とは異なる食味特性を活かした業務・加工用としての利用が期待される。
主要特性
- 「えみだわら」は多収で良質な業務・加工用米系統の開発を目標として、良質・良食味品種「イクヒカリ」と業務・加工用の多収系統「和1289(後の「やまだわら」)」とのF1に、「和1289」を交配した後代より育成された粳系統である。
- 育成地における「えみだわら」の出穂期、成熟期は"中"に属する。「やまだわら」よりも、出穂期は2日早く登熟期間が8日短いため、成熟期は10日早くなる。
- 「やまだわら」と比べて、稈長は同程度で、穂長は1cm程度短く、穂数は明らかに多い。草型は"中間型"である。
- 玄米収量は、「やまだわら」に対して早植・標肥栽培で3%高く、735kg/10aと多収である。千粒重は22.8gで「やまだわら」よりもやや大きい。
- 耐倒伏性は「やまだわら」並の"強"、穂発芽性は「やまだわら」並の"やや易"である。
- いもち病真性抵抗性遺伝子型は、Pibを持つと推定される。圃場抵抗性は、葉いもちは"やや弱"、穂いもちは不明である。白葉枯病抵抗性は"弱"である。縞葉枯病には罹病性である。
- 玄米の外観品質は「やまだわら」より優れる。炊飯米は「コシヒカリ」とは明らかに異なり、硬くて粘りが少ない特長を持つ。
出願番号 (出願日) |
公表日 | 登録番号 (登録日) |
育成者権の存続期間 |
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33054 (2018年4月20日) |
2018年8月14日 | 29494 (2022年11月29日) |
25年 (満了日:2047年11月29日) |
交配組み合わせ | 旧系統名 | ||
イクヒカリ/和1289//和1289 | 関東268号 |