品種詳細

縞葉枯病に強いイネWCS(イネ発酵粗飼料)専用の早生品種で、これまでイネWCS専用品種の栽培が困難であった東北地域での普及が期待できます。また、これまでの晩生品種と栽培を組み合わせることで、移植や収穫作業の分散や良質な飼料の増産が図れます。

主要特性

• 育成地(広島県福山市)での出穂期がイネWCS用として栽培されている早生の多収品種「夢あおば」より2日程度、中生の「たちあやか」より12日程度早い早生品種です。全体に占める籾の重さの割合(籾重割合)は「夢あおば」の48.9%に対して、23.1%と少なく、消化性が優れる茎葉部の収量は「夢あおば」より44%多収です。東北地域(秋田県大仙市)における5月18日移植での出穂期は8月11日であり、「夢あおば」の8月3日より1週間程度遅く、「たちあやか」より2週間程度早くなります。また、縞葉枯病に抵抗性です。
• 糖含有率は12.5%であり、良好な発酵が期待できます。
• 育成地である瀬戸内沿岸部における6月上旬移植での出穂期は8月4日ですが、出穂特性の日長反応性程度は弱く、移植時期の変動により出穂期は前後します。
• おおよその栽培適地は東北中部以南です。
• いもち病の真性抵抗性遺伝子"Pi20"を有するため、侵害菌が存在せず罹病しない地域もありますが、変異菌の発生により罹病化する可能性が高いので、防除を徹底してください。
• 収穫は、十分な乾物収量や良好な発酵品質を確保するため出穂期30～40日後以降に行う必要があります。