品種詳細
小麦中間母本農9号
「小麦中間母本農9号(赤かび系3号)」は閉花性で、赤かび病に対する初期感染抵抗性に優れる。また、遺伝子座(Fhb1)が抵抗性型で進展抵抗性に優れ、かび毒蓄積性も低い。両抵抗性を併せ持つ初の系統として、赤かび病抵抗性の交配母本に活用できる。
主要特性
- 「小麦中間母本農9号」は2002年春に閉花性の「U24」と赤かび病抵抗性に優れる「西海165号」を交配し、一穂一粒(SSD)法および系統育種法で固定を図ってきた系統である。
- 「小麦中間母本農9号」の総合的な赤かび病抵抗性は「強」と判定され、本系統の赤かび病抵抗性には感染抵抗性と進展抵抗性が関わっている。
- 「小麦中間母本農9号」を含む、「U24」と「西海165号」の交配から由来した組換自殖系統群では、「U24」由来の閉花性は感染抵抗性を向上させる。また、「西海165号」由来の3BS染色体上の量的形質遺伝子座(QTL, Fhb1, 近傍のマイクロサテライトマーカーXgwm533およびXgwm493で判定できる)は進展抵抗性を向上させる。「小麦中間母本農9号」は閉花性で、Fhb1の遺伝子型が「西海165号」型である。
- 「小麦中間母本農9号」は感染強度が強い環境下においてかび毒濃度が「西海165号」と同様に低い。
- 「小麦中間母本農9号」は「農林61号」と比べて、出穂期と成熟期は2日程度遅い。稈長と穂長は長い。穂数は同程度、耐倒伏性はやや劣る。うどんこ病抵抗性および赤さび病抵抗性は優れる。収量と千粒重は低く、容積重と外観品質は同程度である。
出願番号 (出願日) |
公表日 | 登録番号 (登録日) |
育成者権の存続期間 |
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25565 (2011年1月21日) |
2011年4月 5日 | 22234 (2013年1月28日) |
25年 (満了日:2038年1月28日) |
交配組み合わせ | 旧系統名 | ||