品種詳細

小春二条

二条大麦「小春二条」は播性がIIの寒冷地向け中生種で、耐雪性は「シュンライ」と同等である。穂発芽性がやや難で粒の外観品質が優れる。「ミノリムギ」より麦芽エキスやジアスターゼ力が高い。小規模ビール醸造用として岩手県等で普及が見込まれる。

主要特性

二条大麦「小春二条」 (旧系統名:東北皮38号) は高醸造適性、二条、大粒、耐寒雪性、早生、多収、耐病性、強稈、外観品質良を育種目標として1996年5月に東北農業試験場にて「F1=ニシノゴールド/ミユキオオムギ」を母とし、「九州二条11号 (後のミハルゴールド) 」を父として人工交配を行い、選抜・固定を図ってきたものである。2006年に播種した世代はF11である。

育成地では「ミノリムギ」と比較して次のような特徴がある。

  1. 播性はIIで出穂期、成熟期はほぼ同じ中生種である。
  2. 稈長は同程度のやや長稈種で穂数が多く、耐倒伏性は「中」である。
  3. 耐寒性は「中」、耐雪性は「やや弱」で劣り、「シュンライ」並である。
  4. 穂発芽性、赤かび病抵抗性は「やや難」、「やや強」で優れ、大麦縞萎縮病、うどんこ病抵抗性は同じ「中」である。
  5. 収量は少なく、千粒重、リットル重は大きく、外観品質は優れる。
  6. 麦芽品質ではコールバッハ数は大きくて劣るが、麦芽エキス、ジアスターゼ力、最終発酵度は優れ、麦芽品質を総合的に評価する麦芽評点も高い。
  7. 搗精品質は搗精時間が短く、精麦白度、炊飯麦の白度が高く優れる。

栽培適地

寒冷地の根雪期間70-80日以下の平坦地に適する。

出願番号
(出願日)
公表日 登録番号
(登録日)
育成者権の存続期間
22007
(2008年1月21日)
2008年3月26日 17314
(2009年2月 6日)
25年
(満了日:2034年2月 6日)
交配組み合わせ 旧系統名
(ニシノゴールド x ミユキオオムギ) x 九州二条11号 (ミハルゴールド) 東北皮38号

品種の利用許諾について