- 農業用水路トンネル(以下、水路トンネル)内部に不具合が発生していないかを迅速に点検するための調査技術を紹介します。
- 水路トンネル内部に水がない場合は、レーザー発射装置と、壁面に照射されたレーザーの反射光量を計測する装置を取り付けた車両(図1左)を通行させることにより、水路トンネル壁面のひび割れ、湧水などを映像として高精度に記録することが可能です。
- 上水道や工業用水等と兼用されていて、断水することが困難な場合等、水路トンネル内部に水がある場合は、通水状態で内部の状況を確認する壁面画像撮影装置(図1右)が有効です。水路トンネル上流坑口から装置を流下させ、下流坑口で回収するまでの間、水路トンネル壁面を動画として記録します。流下中、装置が回転しても、カメラは壁面に正対する「自動追尾機能」を備えているので、見落としが発生しません。人が中に入らずに調査可能であり、地震後の点検にも有効です。この技術は、東日本大震災における水道用水路トンネルの応急点検として活用されました。

図1 点検装置(左:通水なし、右:通水状態)
(参考文献)
- 森充広ほか(2016)、農業用水路トンネル壁面連続画像撮影技術の現地適用性の評価、農工研技報218、51-63
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010902801.pdf
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