- 令和6年能登半島地震では、埋戻し材料の液状化により、パイプライン屈曲部周辺で継手が離脱し、漏水する被害が発生しました(図1)。本資料では、固結工法を用いて、パイプラインの耐震性を向上させる技術を紹介します。
- 本工法では、曲管やT字管周辺のスラスト力が作用する方向の埋戻し材に固結工法を適用します(図2)。埋戻し材に粘着力が付加されて、地震時の強度低下を防ぎます。現地盤(埋戻し材の周辺のもともとある地盤)の液状化や顕著な強度低下が想定される箇所での利用は、十分な効果が期待できない場合があります。
- 新たに埋設するパイプの埋戻し材には固化処理土を用い、また既に埋設されたパイプの埋戻し材には地表面から薬液等のグラウト材を注入します(図3)。

図1 継手の離脱

図2 固結工法の適用箇所

図3 グラウト材注入による耐震性の確認(振動実験後に地盤を開削した様子)
(参考文献)
- 有吉充(2023)、固結工法による農業用パイプラインの耐震対策技術、JATAFFジャーナル、11(7)、27-31
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