令和6年能登半島地震における農業被害の 復旧・復興からの参考技術情報

夏季に乾田でも湿田でも良好に生育する1年生飼料作物栽培ヒエ

  • 令和6年能登半島地震により、用水路の損壊等が生じると飼料用イネの作付けが困難になることがあります。そこで夏季の代替作物として、生育が早く、湿田でも乾田でも良く育つ1年生の飼料作物としての栽培実績もある栽培ヒエを紹介します。
  • 栽培ヒエは、出穂期までに収穫すれば家畜の嗜好性も良く、青刈り、乾草、サイレージに利用できます。ただし、再生は良くありません。イタリアンライグラスと組み合わせた二毛作によく用いられます。
  • 機械作業が困難になる梅雨時期を避け、5月(梅雨前)、あるいは7月(梅雨後)に播種します。覆土は種子が隠れる程度に行い、しっかり鎮圧を行うと良好に発芽します。収穫物への土壌混入の軽減にもなります。
  • 過剰な窒素施肥を行うと、家畜に有害な硝酸態窒素濃度が高くなるので注意してください。
  • 収穫は出穂期までに行います。出穂期を過ぎると茎葉が粗剛になり、栄養価が急激に低下します。圃場に種子を落としたくない場合は早刈りします。土壌混入を避けるために、刈り取り高さ10cm以上で収穫して下さい。
  • 収穫物については、畜産経営者等と事前にご相談いただき、計画的な作付けをご検討ください

図1 栽培ヒエの草姿

図2 栽培方法の概要

(参考)

  • 中央畜産会(2009)日本標準飼料成分表2009年版 p26-43
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