おむすびなろりんの丘タイトル

なろりん、センチュウの話にムチュウの巻

訪ねた日: 2018年11月22日
お天気: くもり時々雪

こんにちは なろりんです♪
気の向くままに全国にある農研機構の研究センターを巡って紹介しています。
71回目のなろりんリポート、略して「なろリポ」です。

今回訪れたのは、北海道札幌市にある「北海道農業研究センター 本所」です。

今年の北海道は暖かいって聞いて訪ねたら、なんと、なろりんが行った前の日が初雪!
冬の寒さを一足早く体験したよ。マフラー持ってきて良かった!

雪道に立つ赤いマフラーを巻いたなろりん

後ろに見えるのは札幌ドーム♪

今日訪ねたお部屋は、「線虫害グループ」
線虫(センチュウ)というのは、目では見えない小さなひも状の生き物で、カビを食べる線虫や他の線虫を食べる線虫、植物の養分を吸う線虫など、土の中にいろんな種類がいるよ。

こちらのお部屋では、植物の養分を吸う線虫のうち、農作物に害を与えるダイズシストセンチュウ、キタネグサレセンチュウ、そしてジャガイモシストセンチュウやジャガイモシロシストセンチュウなどについて研究しているんだって。

線虫は一度畑で発生すると、土の中から居なくするのはとても難しいんだって。 (ブログ68でも、ジャガイモシストセンチュウの話が登場)

今回は、ジャガイモシロシストセンチュウの害を受けにくいジャガイモ(ばれいしょ)の新品種を作る研究について教えてもらったよ!

ジャガイモの新しい品種を作る研究をしているのは、北海道芽室町にある「バレイショ育種グループ」。
このグループが育成した新しい品種候補のジャガイモを、芽室から札幌に持ってきて育て、そこにジャガイモシロシストセンチュウを放してどれくらい増えるかを調査するのだそう。

二つの研究グループが協力してジャガイモシロシストセンチュウに強い新品種をつくっているんだね。

センチュウの実験は他の建物から離れた場所にある温室でおこなうよ。
温室の中に入る時はスリッパを2回履き替えるよ。センチュウをうっかり靴底につけて外に出たら大変!
「地面に落ちたらなろりんもザブザブ洗わないといけないから気をつけてね!」って言われてドキドキ!

温室の中は一年中いつも20度前後。ジャガイモシロシストセンチュウが増えるのに適切な温度なんだって。

温室の中を見学するなろりん

外は雪でもあったかい♪

ジャガイモシロシストセンチュウは、シストという、中にたまごが入っている丸いかたまりになって増えるんだって!

温室の隣のお部屋では、ジャガイモを育てたポットの土から線虫のシストを集める作業をしていたよ。
ビーカーに決まった量の土を入れたら、シャワーで水を勢いよく入れてかき混ぜるよ。
そのまま少し置くとシストが浮いてくるんだって。

シストを集める作業の様子

どのくらいいるのかなぁ

浮いて来たら「ふるい」に流すよ。ふるいは二段になっていて、上の段は目が粗く、下の段は目が細かいよ。目の細かい方にシストが引っかかるんだって。

とれた~?

ろ紙が敷かれているロートに、ふるいの中にとれたシストを入れるよ(細かいゴミも混ざっているよ)。

数えやすくするために緑の線が引いてあるよ!

どれだけ増えたか顕微鏡でのぞいてシストの数を数えるよ。

何個あった~?

ジャガイモシロシストセンチュウへの強さを調べる基準となるジャガイモ品種があって、それと比べてシストが多いか少ないかで抵抗性があるかどうか判断するんだって。

目安として、調査したい品種候補についたシストの数が、基準品種のシスト数の4分の1以下だったら、ジャガイモシロシストセンチュウに対する抵抗性が期待できる品種候補ってことになるんだって。

顕微鏡をのぞき込むなろりん

なろりんにも見せて~!

こちらはモニターに映し出されたジャガイモシロシストセンチュウ!

うねうね動いてるよ~

思っていたより大きく見える!けど全長0.3mmくらいしかないから肉眼で見るのはむずかしいみたい。
口のところに針があって、それを突き刺して植物の中に入っていったり、栄養をちゅーちゅー吸ったりするんだって!

これまでにもジャガイモシストセンチュウに強くておいしいジャガイモ品種を誕生させてきている北海道農業研究センター。

これからもジャガイモシストセンチュウやジャガイモシロシストセンチュウに抵抗性のある新しい品種の誕生を楽しみにしているなろりんなのでした。

仲の良さが伝わってくるチームワークばっちりなみなさんと。

研究所の皆さんと記念写真

ありがとうございました

次はどこの研究センターに行こうかな。

●「北海道農業研究センター」の詳細は、ホームページを見てね。