第38回土・水研究会
みどりの食料システム戦略を見据えた持続的土壌管理のための有機物活用
開催趣旨
令和3年5月に公表された「みどりの食料システム戦略」は、持続可能な食料システムの構築に向け、中長期的な観点から環境負荷削減のイノベーション推進を旗印とし、2050年までに輸入原料や化石燃料を原料とする化学肥料を30%削減、有機農業面積を25%に拡大するといった挑戦的な目標を掲げています。その実現に向けた個別の技術革新要素として、耕畜連携、ペレット等有機質資材の開発と普及、緑肥等による土づくりなど有機物資材の活用に関する多くの開発事項が示されています。
農研機構や公設試において、従来から堆肥、緑肥、家畜ふん尿といった有機物資材の活用による化学肥料削減や収益性向上の取組みが行われてきました。その研究は当然ながら生産性に加えて環境保全も見据えたものです。近年の成果としては農水省委託プロジェクト研究「有機質資材」(2015~2019)によって混合堆肥複合肥料の製造と利用、また緑肥の利用に関する技術マニュアルがまとめられました。これらの研究蓄積に加えて、近年、土壌情報や環境情報の高度化とアクセシビリティが急速に進んでおり、それに基づく新たな有機物施用技術の実現が可能になりつつあります。その一例として令和3年に日本土壌インベントリーに追加された有機質資材の肥効見える化アプリがあります。
以上のような現状をふまえ、本研究会においては関連する行政部局、研究者から情報提供をいただき、みどりの食料システム戦略の目標達成に向けた有機物活用技術の現状を共有するとともに、今後の展開方向を考える端緒とします。
開催日時
2022年3月17日(木曜日) 13時15分~16時30分 (予定)
開催方法
オンライン (Microsoft Teams ウェビナーを使用)
主催
農研機構 (農業環境研究部門、中日本農業研究センター)
参加対象
国立研究開発法人、公設試験研究機関、大学、行政部局、民間団体など
プログラム
1. 開会挨拶 | 農研機構 農業環境研究部門 | 岡田邦彦 | |
2. みどり戦略を背景とする政策情勢等 | |||
農林水産省 農林水産技術会議事務局 | 井原啓貴 | ||
3. 適正な有機物管理の基礎となる土壌情報 | |||
農研機構 農業環境研究部門 | 高田裕介 | ||
4. 有機質資材窒素肥効見える化の取り組み | |||
農研機構 九州沖縄農業研究センター | 古賀伸久 | ||
5. 家畜ふん尿由来有機質資材の野菜栽培への利用 | |||
農研機構 中日本農業研究センター | 徳田進一 | ||
6. 土づくり・減肥に役立つ緑肥の効果とその特徴 | |||
農研機構 中日本農業研究センター | 唐澤敏彦 | ||
7. 食の窒素循環と次世代型の有機農業 | |||
農研機構 農業環境研究部門 | 江口定夫 | ||
8. 総合討議 | |||
9. 閉会 |
参加費
無料
参加方法
参加される方のお名前、メールアドレス、ご職業・所属を、参加登録ページ ( https://prd.form.naro.go.jp/form/pub/naro01/tsuchimizu38 )からお知らせください。
開催事務局・問い合わせ先
農研機構 農業環境研究部門 久保寺秀夫
〒305-8604 茨城県つくば市観音台3-1-3
E-mail: tsuchimizu@ml.affrc.go.jp 電話: 029-838-8351