九州沖縄農業研究センター

所長室から

研究についても結果責任が重い

企業経営の立場から見ると研究開発は典型的な投資事業である。経営者は人、物、金のすべてをつぎ込んで新しい知見や技術を生み出すことに賭ける。研究担当者は企画書を作成し、管理部門はそれを審査、採択する。管理部門として企画書を良く吟味することは勿論大事なことであるが、研究結果をしっかり評価することはそれ以上に重要である。私の研究所でも従来研究強化費という形で特別予算を配分しているが、どの企画書を採用するかについては部長会議で議論しても、どんな結果が得られたのか、わずか1枚の報告書が管理部門の担当者に届けられるだけであった。昨年から研究強化費課題については所内公開で発表会を開くことにした。2カ年に渡る課題はこの場で採点し、継続の可否を判定している。私達の組織は初めに厳しいが、終わりはゆるゆるということが多いように思われる。これでは日本の大学生と同じだ。研究のプロを任じる以上、結果責任をしっかりとってもらいたい。

桜が満開の研究本館前
桜が満開の研究本館前