要約
飼料用サトウキビ「KRFo93-1」は宮崎県南西部でも栽培が可能であり、越冬し再生することができる。サイレージの保存性も調製後3ヶ月目まで良好である。また、細断型ロールベールサイレージの黒毛和種繁殖牛の採食性も良好である。
- キーワード: 飼料用サトウキビ、宮崎県南西部、栽培、採食性
- 担当: 宮崎県畜産試験場・酪農飼料部
- 代表連絡先: Tel:0984-42-4837
- 区分: 九州沖縄農業・畜産・草地(草地飼料作)
- 分類: 技術・参考
背景・ねらい
九州沖縄農業研究センター(種子島試験地)が選抜・育種し、日本初の飼料用サトウキビとして品種登録された「KRFo93-1」は、鹿児島県熊毛地域や九州南部の無霜地域では多収性を示す飼料作物として栽培が行われているが、本県における栽培事例はほとんどない。そこで本県における適応性を検討する。
成果の内容・特徴
- 植付け1年目(4月植え、11月収穫)の「KRFo93-1」の平均乾物収量は4.3t/10a、越冬後2年目(10月収穫)の平均乾物収量は3.8t/10aで多収である(表1)。
- 「KRFo93-1」はソルガム(乳熟期)よりも、水分、粗繊維(CF)、粗灰分(CA)含量は多く、粗タンパク質(CP)、粗脂肪(EE)、可溶性無窒素物(NFE)含量は少ない。また、硝酸態窒素(NO3-N)の蓄積は見られない(表2)。
- ビニールバックサイロ
ついては調製後6ヶ月目のV-score評点がやや低い(図1)。
- 黒毛和種繁殖牛の「KRFo93-1」のサイレージの採食性は問題がない(表3)。
成果の活用面・留意点
- 植付け作業の省力化を検討する必要がある。
具体的データ
(立山 松男)
その他
- 研究課題名: 飼料用サトウキビ「KRFo93-1」栽培試験
- 予算区分: 県単
- 研究期間: 2009~2010年度
- 研究担当者: 立山 松男、岩見 豪士、東 政則、須﨑 哲也、中原 高士