九州沖縄農業研究センター

九州沖縄農業試験研究の成果情報

ユズ残さは安定した発酵品質のサイレージ調製が可能である

要約

ユズ残さを混合したサイレージ調製1ヶ月後及び4ヶ月後のV-score評点が、調製方法にかかわらず良好であり、ユズ残さはサイレージ材料として十分利用可能である。また、ユズ残さのみでも4ヶ月後の保存性は良好である。

  • キーワード:ユズ残さ、サイレージ調製、発酵品質
  • 担当: 宮崎県畜産試験場・酪農飼料部
  • 代表連絡先: Tel:0984-42-4837
  • 区分:九州沖縄農業・畜産・草地(家畜)
  • 分類:技術・普及

 

背景・ねらい

本県の特産品であるユズの加工残さ(搾りかす)は年間400t程度(推計値)排出されており、産業廃棄物として経費をかけて処理されている。
このユズ残さを処理業者から提供してもらい黒毛和種繁殖牛への飼料として利用し肉用牛繁殖農家の飼料費の低減を図るために、サイレージ調製方法を検討する。

成果の内容・特徴

  • ユズ残さの成分値は、水分はミカンジュース粕(生)と同程度であるが粗脂肪(EE)含量は13.3%と高い(表1)。
  • 表2のとおり調製したユズ残さサイレージの調製4ヶ月後のV-score評点(60点以上が利用可)は、スタックサイロ調製およびフレコンバック調製では94.5点~100点、細断型ロールベール調製では77.8点~94.3点で、良質なサイレージ調製が可能である(表3)。
  • ビニルバックサイロ調製においては、ユズ残さのみでも発酵品質が良好である(表3、V区)。
  • ユズ残さサイレージを場内ホルスタイン種乾乳牛及び現地黒毛和種繁殖牛に給与した結果、残飼はほとんどない(表4)。

成果の活用面・留意点

  • ユズの加工残さが供給される時期に集中してサイレージ調製する必要がある。
  • 細断型ロールベールは材料の水分含量が多過ぎると形状が崩れやすくなり、また、フスマ等の粉飼含量が多いと細断型ロールベーラの根詰まりの原因になることがある。

具体的データ

表1

 

表2

表3

表4

 

その他

  • 研究課題名:ユズ残さのサイレージ調製技術
  • 予算区分:県単
  • 研究期間:2008~2009年度
  • 研究担当者:立山松男、須﨑哲也、東政則、岩見豪士、中原高士