要約
黒毛和種去勢牛への肥育前期TMR給与は飼料摂取量を向上させ、良好な増体および枝肉成績が得られる。
- キーワード: 黒毛和種、肥育、TMR
- 担当:沖縄県畜産研究センター・育種改良班
- 代表連絡先: Tel:0980-56-5142
- 区分:九州沖縄農業・畜産・草地(家畜)
- 分類:技術・参考
背景・ねらい
黒毛和種肥育では、濃厚飼料と粗飼料を分離して給与する分離給与方式が慣行されている。しかし、群飼育で飼料を分離給与した場合、各個体の粗飼料や濃厚飼料の摂取割合を把握することが困難であり、発育のばらつきを生じやすく、安定した肉牛生産ができない一因となる。近年、反芻家畜の栄養管理の重要性および管理の省力化から、濃厚飼料と粗飼料を混合した混合飼料(Total Mixed Ration:以下TMR)が乳用牛を中心に普及しているが、黒毛和種肥育牛でのTMR給与法や、その給与時期についての報告は少ない。そこで、肥育成績の安定と向上を目的として、黒毛和種去勢肥育牛への肥育前期TMR給与が、飼料摂取量、増体および枝肉成績へ与える影響を検討する。
成果の内容・特徴
- 肥育前期のみTMRを給与する前期TMR給与区は、全期間分離給与した分離区と比較して、良好な飼料摂取量、増体が得られる(表2)。
- 肥育前期のみTMRを給与する前期TMR給与区は、全期間TMRを給与した全期間TMR給与区と同等の飼料摂取量および増体、BMSNo.が得られる(表4)。
成果の活用面・留意点
- 黒毛和種去勢肥育へのTMR給与方法として寄与できる。
具体的データ
その他
- 研究課題名:県産和牛のブランド化に向けた肥育技術の確立
- 予算区分:県単
- 研究期間:2004～2008年度
- 研究担当者:棚原武毅、荷川取秀樹、金城靖、花ヶ崎敬資、宮城正男
- 発表論文等:1)岡野祥ら(2004)沖縄畜研セ研報、42:15-23
2)金城靖ら(2006)沖縄畜研セ研報、44:13-19