九州沖縄農業研究センター

九州沖縄農業試験研究の成果情報

覆い下栽培による高品質・高収益な二番茶生産に好適な被覆開始時期と期間

要約

芽の1.5葉期から14日間程度、覆い下栽培することにより高品質かつ高収益な二番茶を生産できる。

  • キーワード:二番茶、覆い下栽培、被覆開始時期、被覆期間、収益性
  • 担当:福岡農総試(八女分場)・茶チーム
  • 代表連絡先: Tel:0943-42-0292
  • 区分:九州沖縄農業・茶業
  • 分類:技術・普及

背景・ねらい

覆い下栽培生産者の収益性向上のためには、二番茶においても被覆により品質を向上させる必要がある。そこで、被覆棚を利用し、高品質かつ高収益な二番茶生産に好適な被覆開始時期及び被覆期間を明らかにする。 

成果の内容・特徴

  • 被覆資材を用いて二番茶を覆い下栽培する場合、被覆開始が早いほど生葉収量は少ないが、遊離アミノ酸含量が高く官能評価が優れる(図1)。
  • 覆い下茶の特徴である香気成分のジメチルスルフィド(青海苔様の香り)含量は、1.5葉期までに被覆すれば高くなる傾向を示す(図1)。
  • 粗収益(市場評価額×荒茶収量ー加工経費)は、被覆を1.5葉期から開始すると高い(図2)。
  • 1.5葉期から被覆を開始した場合、被覆期間が20日程度までであれば、被覆期間が長いほど生葉収量は増加するが、遊離アミノ酸含量は低下する。被覆期間が14日間程度までは遊離アミノ酸含量を高濃度に維持できる(図3)。

成果の活用面・留意点

  • 覆い下茶園における二番茶の高品質・高収益化技術として活用できる。
  • 被覆資材の遮光率は90~95%であり、上部および側面を同時に被覆した。
  • 一、二番茶を連続して長期間被覆すると樹勢が低下するため、二番茶摘採後は樹勢回復に努める。

具体的データ

 図1

図2

図3

その他

  • 研究課題名:高級茶ドリンク需要に応える高級覆い下夏茶生産体系の開発
  • 予算区分:国庫受託(実用技術)
  • 研究期間:2006~2008年度
  • 研究担当者:堺田輝貴、仁田原寿一、吉岡哲也、中園健太