九州沖縄農業研究センター

九州沖縄農業試験研究の成果情報

長崎県におけるイチゴ新品種「こいのか」の特性

要約

イチゴ新品種「こいのか」は花芽分化期(肥厚後期~花房分割期)および年内収量は「とよのか」と同等で、果実の糖度は高く、硬度も「とよのか」より高く、階級は2L・Lが40%以上である。

  • キーワード:イチゴ、こいのか、収量、果実品質
  • 担当:長崎農技セ・農産園芸研究部門・野菜研究室
  • 代表連絡先: Tel:(代表)0957-26-3330、(直通)0957-26-4318
  • 区分:九州沖縄農業・野菜・花き
  • 分類:技術・普及

背景・ねらい

長崎県ではイチゴの促成栽培において、「とよのか」に替わりうる多収性で、高品質・省力的な品種育成が求められている。平成20年に九州沖縄農業研究センターと大分県との共同研究により、早生で年内収量が確保できる「こいのか」を育成した。そこで、「こいのか」について、本県での収量性および果実品質を明らかにする。

成果の内容・特徴

  • 「こいのか」の花芽検鏡に基づく花芽分化期(肥厚後期~花房分割期)は、「とよのか」と同等であり、「さちのか」、「さがほのか」、「おおきみ」よりも早い(表1)。
  • 「こいのか」の年内収量は「さちのか」より多く、総収量は「さちのか」よりやや多い(表2)。
  • 「こいのか」の糖度は「とよのか」、「さちのか」より高く、果実硬度は3月以降では「さがほのか」、「さちのか」と同等で「とよのか」よりも高い(図1)。
  • 果実の階級は2L・Lが40%以上である(表3)。

成果の活用面・留意点

  • 基肥を含む肥培管理・栽培管理は「さちのか」の基準で行った結果である。

具体的データ

 表1

表2

図1

表3

その他

  • 研究課題名:西南暖地におけるイチゴ促成栽培に適した優良系統の選定
  • 予算区分:県単
  • 研究期間:2004~2008年度
  • 研究担当者:藤田晃久、野口浩隆