九州沖縄農業研究センター

九州沖縄農業試験研究の成果情報

トルコギキョウの春出荷作型における高昼温・低夜温管理

要約

トルコギキョウの春出荷作型では、高昼温・低夜温管理することにより暖房経費削減が図れ、通常管理とほぼ同等の開花期、切り花品質が得られる。

  • キーワード:トルコギキョウ、高昼温、低夜温、省エネルギー
  • 担当:大分農林水産研・花き研
  • 代表連絡先: Tel:0977-66-4706
  • 区分:九州沖縄農業・野菜・花き
  • 分類:技術・参考

背景・ねらい

トルコギキョウの春出荷作型では、早期開花させるために夜間を高温で管理する必要があり、暖房用燃料費の削減が経営上の課題となっている。そこで燃料費削減のため、日中の太陽熱を利用した高昼温・低夜温管理方法を明らかにする。

成果の内容・特徴

  • 生育期間中(12~4月)の平均夜温を12°Cとし、午前7時~12時を30°C加温管理すると、開花期は慣行栽培より1~2週間早まるが、切り花品質(切花長・切花重・節数・茎径)は低下する(表1、図1、図2)。
  • 生育期間中(12~4月)の平均夜温を12°Cとし、午前9時~12時を30°C加温管理すると、開花期は「ボレロホワイト」では慣行栽培よりも4日早まり、「あずまの碧波」では慣行栽培と同じで、2品種とも切花長は短く節数は減少するものの、実用上問題のない切り花品質が得られる(表1、図1、図2)。
  • 省エネ効果を温室内気温と外気温の差を基に試算すると、変温1区では約13%、変温2区では約16%の燃料節減が見込まれる(データ省略)。

成果の活用面・留意点

  • 本試験は、用土量の少ない底面給水栽培で実施したため、一般的な土耕栽培と比較して地温の変化が大きい。
  • 各試験区の気温の推移は図1および図2に示すとおり。変温区の気温は、加温開始から2~3時間後に最も高くなり、日没頃まで低下は少なく、その後、最低加温設定温度に近づいた。厳寒期の夜温は最低加温設定温度(8°C)まで下がったが、その期間や時間帯は限られ、試験期間中の平均夜温は12°C程度であった。

具体的データ

 表1

図1

図2

 

その他

  • 研究課題名:トルコギキョウの省エネルギー栽培技術の確立
  • 予算区分:県単
  • 研究期間:2007~2009年度
  • 研究担当者:吉松修治、渡邉英城